−−倉木麻衣“平成の歌姫”伝説−−
秘密のクッキー(4)

“21世紀の山口百恵”になる素質

 「父に対しては、どこでどうして生活しているかも分かりませんでしたし、幼い頃から母親や家族が苦しみ悲しんでいるところを見てきました」−。

 倉木麻衣(17)は9月下旬、自らのホームページ上で、両親の離婚についてこう心情を吐露。長く別居していた実父、山前五十洋(いそみ)氏の思わぬ騒動に戸惑った倉木の心情が表れている。

 「彼女の第一印象は、実に意志の強い目をしていたということ。まだ17歳なのに…、と驚かされましたが、だらしのない父の影響だったと改めて納得しました」と話すのは、トレンド研究家の菅原健二氏だ。

 「お母さんが苦労している姿を見ると、子供は無意識のうち『助けてあげたい』と思うようになるもの。これは、自分に振り向いてもらおうという気持ちでもあるんです。父親がだらしなかったから、幼児期から自分がしっかりしないとダメだって思い続けてきたのでしょう」。寂しさや不安を抱えたまま頑張ろうとする、これが倉木の素顔だと菅原氏は分析するのだ。

 こうした倉木の生き方が自ら歌っている曲の詞になって表れている。しかも、その世界は「同年代には共感を与える大きな要素になっている」(音楽関係者)。最新アルバム「delicious way」は「不安とか心配を抱えながらも、前向きに頑張ろうとするような詞が多い」と女性ファンの間では評判だ。

 日本でのデビュー曲「Love,Day After Tomorrow」の詞の中には、♪ただ君と同じ速さで歩きたいから…というフレーズがある。

 「“君”というのは、“お母さん”を指しているんだと思う。倉木の詞には“君”という表現が多いのですが、そういった意味合いのものが多いはず。『Secret of my heart』の中の“少し離れて歩く 君の横顔が…”という部分も、おそらくお母さんを指しているんじゃないか」(菅原氏)

 お母さんが苦労していると、甘えられなくなってしまう。だから自分が強くならなければ…。倉木は、そんな思いで幼児期を送っていたのだろうか。

 ある作詞家も、「倉木のようなアーティストは、自分の幼児期の体験を詞にするんです。だから同年代からの支持を得られる。浜崎あゆみとも似ているかもしれませんが、倉木のような幼児期を送ってきた子が、いかに多いかということでしょう。倉木の救いは父親との接触がなかったということ。仮に接触があったら、今の倉木はなかったかもしれません」と話す。

 「父親への憎しみ」という点では、実父と別れて暮らしていた山口百恵さんと似た部分がある。プロダクション関係者も、「百恵さんも雰囲気は寂しそうでしたが、意志の強さは人並み以上だった。おそらく、倉木も百恵さんと似たような境遇で育ったのでしょう。お互い、小さい頃から背伸びをするタイプだったではないか」と分析。つまり、倉木が“21世紀の山口百恵”となる素質があるということなのか。

 倉木は現在、NHK朝の連続テレビ小説「オードリー」の主題歌を担当している。史上最少年での主題歌起用は話題を呼んだが、NHKプロデューサーも「21世紀への橋渡しになるような朝ドラなので、大きく羽ばたけるような人を選んだ」という。

 来春からは立命館大学産業社会学部への入学も決定。特別選抜試験に出願し、“一芸”が認められての合格だった。芸能関係者は、「宇多田ヒカルは米コロンビア大学、そして倉木は立命館。今後もあらゆる部分で2人は比較されていく」と話している。

(芸能ジャーナリスト・渡辺裕二)=敬称略、この項おわり


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