−−激烈!−−
大不況バトル(1)

デパートはツライよ…

駅前立地の小田急百貨店新宿店、営業時間延長で勝負
駅前立地の小田急百貨店新宿店、営業時間延長で勝負
◇新宿駅前、電鉄系は夜8時半まで

 空前の消費不況が続くなか、百貨店が営業時間を延長する動きを加速させている。唯一、消費意欲の“元気”な若いOLに、会社帰りに立ち寄ってもらおうという考えだ。一方、コスト減などから、時間短縮に踏み切るデパートも…。「時間」バトルが生き残りを左右する?!

 都庁や高層ビル群が林立し、巨大なオフィス人口を抱える新宿。西口エリアにある小田急、京王の両百貨店が今月、揃って営業時間を30分延長、午後8時半までとした。小田急は平成12年3月、京王は13年3月、同7時半から8時へと延長して以来のことだ。

 「会社帰りのOLの足を引き止めたい。ゆっくり買い物をしてもらうことで、『見るだけ』から、実売につながるものが増えるハズ」(小田急百貨店関係者)

 小田急新宿店は平日、本館の地下2階の食品売り場とブランド品や婦人服を扱う1〜4階に限り、30分延長。紳士服や中高年向け婦人服などを扱う5階以上は午後8時閉店で据え置いた。

 「平日のOLの来店ピークは午後6時過ぎ。化粧品や婦人服など若い女性向けの売り上げは、午後5時以降が半分以上を占めており、最も効果的な形を考えた」(同)

 同店は昨年、7月のセール期と10月中旬〜12月下旬のお歳暮期に時間を延長。「売り上げを約3%上積みできた」実績があり、平日延長でも「プラス3%」を見込む。

 京王新宿店は、平日と土曜日の営業時間を延長。対象はやはり、地下の食品売り場と婦人服などを扱う1〜3階部分に限定。「若い女性向け婦人服の売り上げは夕6時以降が約4割」という動向を踏まえたものだ。

 この新宿2店は、さらなる延長について「午後9時までならあり得る」(小田急)、「顧客の要望や動きを見ながら判断」(京王)という。

◇東急は逆に営業短縮

 百貨店の売上高は、昨年まで6年連続で前年割れを記録。消費の冷え込みが厳しいなか、各社は営業時間延長で何とか売り上げを確保しようと必死なのだ。

 大丸東京店は昨年9月、平日の閉店時間を午後8時→9時に。高島屋新宿店が昨年3月から、伊勢丹新宿本店が同4月から午後7時半→8時に延長−といった具合だ。

 こうした流れに、「短縮」という逆の判断を下したところもある。

 東急百貨店は今年2月、本店(渋谷区)の営業時間を午前10時〜午後8時から午前11時〜午後7時へ2時間短縮した。

 売り上げへの影響は「店頭ベースで2.5%減」ながら、あえて短縮に踏み切った理由として、同店は「サービスの質を高めるため」と説明。

 「中心顧客である周辺に住む富裕層は、販売員を指名して買い物する人が多い。時短により、勤務シフトを2交代制から常に同じ人が現場にいる1交代に改めることができ、接客密度が増す」

 光熱費や人件費などのコストも2%削減を見込み、「富裕層にターゲットを絞る」ことで生き残りを図る方針だ。

 西武文理大サービス経営学部の小山周三教授は今後の行方について「東急は例外的なケース。高級ブランド専門店では『時間短縮』も選択肢としてあり得るが、百貨店は売り上げ規模が重要な課題。消費者の行動も夜型化しており時間延長は進む」と話している。

(竹岡伸晃)


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