−−イラク戦争−−
露出する「あの主役」は…(4)

軍事評論化・江畑謙介

江畑謙介
この頭、どこにいても一目瞭然!
◇上智大学理工学部卒

イラク戦争の報道で全メディアに軍事評論家が登場するなか、別格の存在感を示しているのが江畑謙介氏(54)だ。91年の湾岸戦争で衝撃的な“デビュー”を飾った江畑氏は、今回もNHKに“拘禁状態”となり、連日、緻密な戦況解説を続けている。膨大な知識とパワーの秘密とは−。

 「あれだけ勉強が続けられるのも好きだからで、本人も『趣味で暮らせて幸せ』と話していた。でも、努力は半端でなく、本当に脱帽します」とは、江畑氏と20年以上親交がある軍事ジャーナリストの宮岡千代道氏。

 49年、千葉県銚子市に生まれた江畑氏は、子供の頃から船が大好きで、木製の模型やプラモデル作りに熱中。造船技術者を目指し、上智大学理工学部機械工学科に進学したが、在学中から軍事雑誌に寄稿し始め、大学院博士課程の学費は原稿料で稼いだという。

 独学で英語も習得、独自取材も始めるなか、軍事関係で世界一の権威を誇る英専門誌「ジェーン・ディフェンス・ウイークリー」の関係者と知り合い、英文での投稿を依頼され、85年には同誌の日本特派員となった。

 そして、91年に湾岸戦争が勃発。軍事評論家としてNHKに初登場し、大きな話題となった。

◇下心のない男

 「彼が評価されるのは一日中、情報収集し、欧米の専門誌も欠かさず目を通して、兵器のメカニズムも正しく理解しているから。また、話を面白おかしくするメディアに迎合せず、知らないことは知らないとハッキリいうから」(宮岡氏)

 湾岸戦争時には、ユーミンが「ガイコツにフライパンを乗せたような風貌で…」と話すなど、あの独特な髪形も知名度アップに“貢献”。江畑氏も「気軽にコンビニで弁当も買えなくなった。僕も湾岸戦争の被害者だ」と嘆いていたとか。

 「普通の人ならアレだけ顔が売れれば、下心も出てくるが、彼にはそれがなく、凄い。民放出演やCMの誘いもあったようだが、『書くことで食べていければいい』と断っていた」(宮内氏)

 こんなエピソードもある。某政治家が安全保障について6回のレクチャーを依頼し、1回目終了後、ウン10万円の謝礼を1回分として手渡したが、「『もう十分』と後の謝礼は受け取らず、『政治家の金銭感覚は一般人とかけ離れている』と憤慨していた」(同)。

◇スポーツカーで夫人と講演に

 最近は、精力的に著書を発表するほか、内閣官房の情報セキュリティー専門調査会委員を務めるなど幅広く活動しているが、その陰には強力な“援軍”がいた。

 「細身の美人」(同)という裕美子夫人とは、湾岸戦争直後、“遭遇”。当時、OLだった夫人が江畑氏の著書を読み、手紙を書いたことがきっかけとなり、電撃的にゴールインしたという。

 「夫人もマニアが及ばないくらい軍事に詳しく、資料の収集、整理など彼の右腕として手伝っている。コンビニ弁当の生活も変わり、奥さんが健康管理もしている。オシドリ夫婦です」(同)

 江畑氏は新幹線や飛行機で注目されることを嫌い、講演には愛車のスポーツカー「GTO」(三菱)で、「北海道や九州でも、夫婦で仲良く出掛けている」という。

 最近、著書のあとがきには「本書は彼女との共著といっても過言ではない。末尾を借りて、裕美子に感謝の意をささげたい」と必ず記している江畑氏。

 米英軍も仰天する史上最強の軍事タッグといえそうで、その快進撃はまだまだ続きそうだ。

(伊藤猛)=この項おわり


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