−−TV通販の魔力−−
〜モノはこう売れ!〜(1)
ジュピター、QVCジャパン
 巧みな「話芸」で商品紹介をする女性コメンテーター=ジュピターショップチャンネル |
◇台本梨のナマ本番
「5秒前! ヨン、サン、ニ、イチ」
カウントゼロの合図とともに、女性コメンテーターが口を開く。季節の話題から入り、紫外線対策や肌の手入れの大切さ、そして「若い肌を保つには…」と商品説明に続いていく。
ケーブルTVなどで24時間の通販番組を放送しているジュピターショップチャンネルの撮影風景だ。「台本はない」(同社)生放送だが、その口調は滑らかで、女性は表情豊かに語りかける。合間には、ゲストのスキンケアコンサルタントが専門知識を紹介。
途中で利用者からの生電話が入り、「顔色が明るくなったんですよ〜」と弾んだ声も…。
同社の岡崎恵美子ヘッドオブマーケットディベロップメントは「どう役に立つのか、何でできているのか、作り手はどういう思いで作ったのか−など商品にまつわる『ニュースとドラマ』を紹介している」と話す。
◇バイヤーは百貨店からスカウト
1日の放送のうち、17時間は生放送。売れ行きは刻々と画面上に表示される。生の魅力は「同じ場所、時間に居るという臨場感、緊張感」(岡崎氏)。メーン顧客である30〜50代の主婦の「欲しい」気持ちを盛り上げるのか、録画と比べ「反響が全然違う」という。同社はスタジオ2つを増設、平成17年から24時間生放送に踏切る計画だ。
見入ってしまう映像とともに、ユニークで幅広い品揃えもTV通販の魅力だろう。
「生活必需品ではないが夢を持ってもらえるモノを中心に、百貨店などからスカウトしたバイヤー30人強が世界の見本市やコレクションで買いつけている」(岡崎氏)
やはり24時間通販番組を持つQVCジャパンの沢崎勝美マーチャンダイジング本部バイスプレジデントは「バイヤーの買いつけに加え、最近は一日20〜30社から売り込みがある」と明かす。
両社が1日に紹介する商品は100〜200種。約3割から半数が新商品という。
「バイヤーにはまず社内を納得させてもらう。何が魅力なのか、服だったらどうコーディネートするのか、食べものなら本当においしいのか。週一回の提案会議では、一つにつき最低20分、長ければ2時間、消費者の立場で質問責めにします。身近な消費者である女房の意見もぶつけます」(沢崎氏)
◇欲しいと思ったらすぐに対応
厳選して集めた商品を「納得して購入してもらう」ため、使い方や商品にまつわる情報を具体的に示しながら販売する。こうしたTV通販について、西武文理大サービス経営学部の小山周三教授は「小売りの原点」と言い切った上で、こう好調の理由を解説する。
「モノの売り方はセルフが主流になっているが、モノがあふれているなか、消費者は勧められないと欲しいとは思わない。TVを見て『そういう使い方があるんだ』と納得し、『欲しい』と思った瞬間、すぐに対応できるようコールダイヤルが用意されている」
さらに、「店頭で説明を受けたら『買わないと悪い』というプレッシャーも受けるが、TVはその点気楽。100%消費者側に選択権がある」と敷居の低さもプラス要素に挙げる。
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長引くデフレ不況で消費者の財布のヒモが固くなるなか、TV通販各社の好調が際立っている。その背景を探った。
(竹岡伸晃)
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