−−TV通販の魔力−−
〜モノはこう売れ!〜(2)
ジャパネットたかた
 すっかり茶の間でもおなじみ。お笑いタレントにいじられることもある高田社長 |
◇「なまり」も効果上げる
マッチョな外国人が「ニカッ」と登場したり、上品なオバサマが和やかな口調で説明したり…。消費者を引きとめようと、説明員に工夫を凝らすTV通販各社。特に、インパクトが大きいのは「ジャパネットたかた」の高田明社長(54)だ。
自らブラウン管の前に立って商品を説明。長崎・平戸なまりの甲高い声で、「付属にデジカメまで付いてこの価格! もちろん、金利、手数料はジャパネットがたかた負担します」と勢い良くしめくくる。
今やダチョウ倶楽部が物マネのレパートリーに加えるほどの人気で、西武文理大サービス経営学部の小山周三教授は「実際に商品を手に取れない通販は信用が命。トップが“看板”として出ることで安心感が増す」と、高田氏の“タレント効果”を指摘する。
ただ、高田氏は「うーん、通販は最初ラジオから始めたんですが、その時は私しかしゃべる人間がいなかった。それが続いているだけなんです」と全く気負いがない。
それどころか、「いつの間にか私がジャパネットの顔になっていた。本当は『早くブラウン管から消えなければ』と思っています。社のブランドで信用してもらえるようにね」と、理想像を描いている。
◇高額なものを紹介
平成14年12月期、624億円と過去最高の売上高を達成した同社は、昭和61年設立。大阪経済大卒後、機械メーカーを経て、父親のカメラ店に勤務していた高田氏が独立する形で産声を上げた。ラジオ通販からスタートし、平成6年、テレビショッピングを開始。丁寧な説明で消費者の心をつかみ、売り上げはこの10年間で約26倍と急成長を続けている。
民間調査会社・富士経済の堀智子主任研究員は「商品選定がうまいうえ、プレゼン能力も高い」と評するが、好調の秘密はこの2点にある。
「うちが紹介するのは、1日せいぜい20〜30点。しかも、家電やパソコンなど高額なものが多い。ですから、商品の選択が非常に重要。実際に使ってみたり、メーカーの開発者を交え勉強会を開いたり、徹底的に研究します。使いやすく、消費者の生活パターンが変わるようなものを厳選、『こんな使い方もあるんですよ』という提案を込めて紹介しています」(高田氏)
背後には、「モノを並べているだけで売れる時代じゃない」という信念がある。
◇1日1000件の問い合わせ
商品の紹介の仕方もユニークだ。
例えば、マイク型の「パーソナルカラオケ」。番組の中では、十八番である石原裕次郎さんの「北の旅人」を熱唱した。500曲付いて4万9800円と、「店頭に並んでいるだけでは手が出にくい商品」だが、熱唱の効果か、昨年1月の発売以来、7万台以上売れているという。
目立たない部分だが、「最も重要」と考えているのはアフターケア。
「通販は手に取れないものを買う。後悔させないよう、問い合わせに確実に答える態勢は不可欠」。多い時で1日1000件の問い合わせに30人体制で対応している。
ただ、ライバル社からは「好調ですねー。でも、社長が変わったらどうなります? たかたさんは社長のキャラターが命でしょ」との声が聞こえてくるのも事実。
それでも、高田氏は「ソニーも松下電器も創業期はトップの顔がありましたよね。その後、組織の信用を高めていった。20年後も企業として支持されるよう、“次”の姿を模索しています」と話している。
(竹岡伸晃)
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