−−TV通販の魔力−−
〜モノはこう売れ!〜(3)
異業種も続々参入へ
 引越しから通販に参入のアートコーポレーション。番組の“顔”は今西和雄専務 |
◇引越しのアートも
デフレ不況のなか、「毎年10%以上」(流通アナリスト)の伸びを見せるTV通販。有望な市場には、ジュピターショップチャンネル、QVCジャパンなどの外資系業者に加え、TV局本体、さらに異業種からの参入も相次いでいる。調査会社・富士経済の調べでは参加企業は平成13年で250社。15年には280社に達する見通しだ。
「反響は上々。本業にも相乗効果が出ています」−。こう笑顔を見せるのは引越し大手「アートコーポレーション」関係者。同社は2月、引越し業者として初めてTV通販に進出。テレビ東京系で週2〜3回、ローカル局で週15回、90秒の通販広告を放映している。
「引越しは家電製品などの買い替え需要が大きい時期。20年以上前から、チラシやカタログの通販を手掛けてきましたが、『こんなのやっていたの…』と驚くお客さまが大半でした。目的の一つは通販事業の知名度アップ。TVを通じ一般向けに販売することで、売り上げ拡大も目指します」(企画広報室)
商品は空気清浄器、掃除機など家電が中心。「音声で設定を復唱するエアコン」など、メーカー品に自社アイデアを加えた「オリジナル商品」で「量販店より2割程安い。後発なので価格でも勝負」(同)。
さらに、同社の引越し用トラックを使うため、配送料はタダ。「目標を大きく上回る売れ行き」といい、冷蔵庫や洗濯機など今後、品揃えを増やしていく方針だ。
◇テレビ朝日は…
これまで通販業者などに「枠」を売っていたTV局も、自社でTV通販に乗り出している。
テレビ朝日は4月から、商品の仕入れ、発送、番組制作を全て自社で手掛ける番組を始めた。火〜木の深夜1時半からの『セレクションX』で、山田まりやさんや寺門ジモンさんらが出演し、司会者とトークを繰り広げながら商品を紹介。開発者やデザイナーにもこだわりを語ってもらう。
「ターゲットは20〜40代の男女。イチローや松井関連のグッズ、日本未発売のZIPPOライター、スターウォーズのフィギュアなどこだわりの一品をそろえた」(テレショップ事業部)
自社展開に乗り出した背景には、本格的な多チャンネル化時代を控え、「有力なコンテンツであるTV通販のノウハウを構築したい」(関係者)との判断がある。加えて、不況下で広告収入も厳しく、「通販を収益の柱に育て、景気に左右されにくい体質にしたい」との思惑もあるようだ。
開始に当たり昨年10月、専門に手掛けるテレショップ事業部を立ち上げ、業界の経験者を招き入れた。映像は、グループのBS朝日でも放送。初年度は、10億円の売り上げを目指す。
BS各局も視聴者と双方向でやり取りできる機能を生かし、積極的に通販番組を手掛ける。
参加社が増え続けるTV通販だが、全てが好調というわけではない。
先月、初めて通販番組でシャワートイレなどを販売した賃貸マンション「東建コーポレーション」は「試験的な単発放送だったが、時間帯に問題があるのか、放映した局が少なかったのか反応はイマ一つ」(担当者)。ただ、「今後もやる方向」と意欲を見せる。
各社は、この新しい販売チャンネルに乗り遅れまいと、試行錯誤しつつ取り組んでいる。
(竹岡伸晃)
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