−−総裁選より面白い!?−−
〜シュワちゃん危うし(2)〜

経歴も慎重に「ビルド」してきたが…

5日、シュワ氏とともに支持を訴えたマナリア夫人(AP)
5日、シュワ氏とともに支持を訴えたマナリア夫人(AP)
◇ずっと権力に憧れを抱き…

 カリフォルニア州知事のイスといえば、“超大物”タレント政治家、レーガン元大統領も座った。アーノルド・シュワルツェネッガー氏(56)の経歴もまた、単なる肉体派俳優では片付けられない。むしろ、権力を狙い用心深く積み上げられたようでさえある。

 産声をあげたのは1947年7月30日、オーストリア南東部の小さな町だった。

 父グスタフ氏は町の警察所長。教育熱心で、何かと兄弟を競争させ、優秀な兄を溺愛(できあい)したらしい。シュワ氏の並々ならぬ闘争心は、この幼時体験にはぐくまれたようだ。

 グスタフ氏は、ナチス党員だった。父親のこととはいえ、米国で政治家を目指すためには致命傷になりかねない経歴。

 だが、シュワ氏はユダヤ系団体に多額の寄付をしたり、反ナチ映画に出演したりして、慎重に“汚点”をぬぐってきた。

 父の勧めで10代からボディービルを始め、68年、米国に移住。自分の名をつけたジムを開設した。

 さらに、肉体を武器に映画界へ飛び込むわけだが、当時、筋肉増強剤を使用。5年前には心臓手術を受け、増強剤との関連がささやかれた。

 その後、ビジネスにも興味を持ち、建設会社を設立。70年代からは不動産業に手を染め、今ではカリフォルニアからオハイオ州にまで広がる巨大な土地を所有する不動産王となった。

 資産総額は不明だが、稼いだお金は過去2年間だけで5700万ドル(約66億6900万円)。

 今回の選挙でも豊富な資金力を背景に、「特別な利益団体に買収されない」とPR。すでに、テレビ出演枠などを買うため、145万ドル(約1億6900万円)をつぎ込んでいる。

 一方で、豊富な人脈を駆使し、スポンサーも確保。“財政手腕”は折り紙つきといえそうだ。

 「ずっと権力者に憧れてきた。キリストのように数千年単位で名が残る人はすごいと思った」。ドキュメンタリー映画『アーノルド・シュワルツェネッガーの鋼鉄の男』(77年)で、シュワ氏はこう話している。

 その言葉通り、私生活でも「権力」への地歩を固めてゆく。名門中の名門ケネディ家の娘との結婚だ。

 故ケネディ元大統領の姪マリア・シュライバーさん(47)と出会ったのは77年、ケネディ家主宰のテニス大会だった。

 「娘さん、イイ体してますね」

 マリアさんの兄によると、シュワ氏は母のユーニスさんにこう言い放ったという。この日、テニスウエアだけを持って飛行機に飛び乗り、ケネディ家の別荘に乗り込んだシュワ氏は、86年に結婚。その後、スターにお決まりの女性スキャンダルがいくつか噴出したが、今も良き夫、そして4人の子の良き父のイメージを保っている。

 NBCテレビのキャスターとして活躍するマリアさんは当初、ケネディ一族についてまわるスキャンダルを嫌い、夫の出馬には消極的だった。

 出馬表明後も表に立つことはなかったが、選挙中盤、夫のセックススキャンダルで「女性蔑視」との声が高まり、表舞台に登場せざるを得なくなったようだ。

 「女性として今の私の地位は、夫のサポートなしにはあり得なかった」

 今月5日、夫の支持者を前に、マリアさんはこう訴えた。

 それでも、来月7日の投票が迫るなか、シュワ氏の苦戦は続く。

(内藤敦子)


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