−−激突!総選挙−−
〜「あの人」は勝てるのか(1)〜

東京3区 石原宏高(39)

緊張気味の宏高氏(右)に四男、延啓氏(左)が寄り添う=2日午前、青物横丁駅前
緊張気味の宏高氏(右)に四男、延啓氏(左)が寄り添う=2日午前、青物横丁駅前
◇絆強いファミリーと軍団控え「嵐を呼ぶ」か

 「石原慎太郎の三男、宏高でございます。安心して生活できる日本を築いていきます」

 今月2日午前8時前、東京都品川区の京急線・青物横丁駅。石原慎太郎東京都知事の三男、宏高氏(39)が2度目の「朝立ち」に臨み、有権者に訴える。

 四男で画家の延啓((のぶひろ)氏(37)も駆けつけ、熱心にビラを配布し、兄弟の二人三脚をアピール。「親を手伝わないヤツは勘当だ!」との家訓を持つファミリーの絆が強い石原家ならでは光景か。

 表情の固い宏高氏は「父や兄(伸晃国交相)の選挙応援とは、やはり責任が違います」と緊張気味だが、延啓氏は「(ビラは)もっと受け取ってもらえないかと思いました」と笑顔を見せる。

東京3区
松原  仁47民現
石原 宏高39自新
大貫 清文47共新
 握手を求める主婦は多い。だが、「暗い。笑顔がない」(会社員)、「お父さんに比べるとひ弱な感じね」(主婦)と厳しい意見も…。

 東京3区は事実上、宏高氏と民主党の松下政経塾出身、松原仁氏(47)の一騎打ちとされる。

 宏高氏を応援する区議は「松原氏の行動力は“化け物”級。小さなイベントにも必ず顔を出す。『ジンジンジンジン松原仁』のキャッチは覚えやすく、小学生が口ずさむほど浸透している」と警戒する。

 3区は「旧自由党が強い」とされ、民・由合併は松原氏にとって追い風で、「自民は小泉首相以外なら、どんな候補でも松原氏に負ける。鳩山邦夫氏が出るとのウワサもあったが、彼でもかなわない」(同区議)。

 松原氏は「買いかぶり過ぎ」と苦笑するが、「政治は国民が政治家との一体感を持つ『共感』が大事で、できるだけ国民と接しなければならない。これまで駅に年100回立ち、年間1000カ所の集会に顔を出してきた」と自信をみせる。

 石原一家には、慎太郎知事のほか、渡哲也さん率いる「石原軍団」という強力な応援部隊がある。宏高氏は現在、挨拶回りなどを地道にこなすが、同事務所は「解散となれば(知事や軍団に)来ていただきたい気持ちで一杯」と期待する。

 もっとも、選挙区内には「一体、どんな人で何がしたいの?」(会社員)との声もあり、石原ブランドばかりが突出しているのも事実。

 宏高氏は慶大経済学部卒業後、旧日本興業銀行入り。みずほフィナンシャルグループ参事だったエリートで、知人は「子供がいない裕次郎さんが、養子にしようと慎太郎さんに頼んだこともあった」と明かす。

 表向き、ひ弱な印象もあるが、強引な一面もある。海部俊樹元首相の秘書も務めた彩夫人へのプロポーズは「11月13日、新高輪プリンスホテルを取ったから」と、いきなり切り出したという。

 一方、松原氏は「私はサラリーマンの息子で何のバックもない。根性で乗り切る。興銀、みずほに15年なんて『既得権益にすがる官僚』と同義語。結局は石原ブランドしか売りはない。ブランドvs無印良品の戦いだ」とノロシを上げる。

 下馬評は「ブランド力で宏高氏有利」だが、有権者の判断は…。

×  ×  ×

 21世紀初の解散・総選挙がいよいよ切って落とされる。「小泉=安倍」自民vs「菅=小沢」民主の全面激突となる天下分け目の大決戦。「あの」話題の候補者たちを追った。

(久保木善浩)


追跡TOPへ 次へ
ZAKZAK