−−激突!総選挙−−
〜「あの人」は勝てるのか(6)〜

岡山1区 菅 源太郎(30)

今月7日、政策を訴える源太郎氏。マスクはいいが…
今月7日、政策を訴える源太郎氏。マスクはいいが…
◇3代目vs2代目対決の行方は…

 「自民党にはまともなマニフェスト(政権公約)がない。あなたの1票で政治は変わる。岡山から日本を変えよう」

 早朝の岡山市役所前。街宣車の上から、父親譲りのよく通る声で訴え続けるのは、菅直人・民主党代表(57)の長男、源太郎氏(30)だ。

 祖父の代からバッジを受け継ぐ逢沢一郎・外務副大臣(49)と激突する岡山1区での選挙戦に、「厳しい戦いだとは思う」と苦笑しつつも、「でも、(逢沢氏の)背中は見えています」と自信をのぞかせた。

 事実、父の知名度に加え、「菅jr.って、ちょっとジャニーズ系」と若い女性を中心に、その名は急速に浸透している。

 一見、落下傘だが、「実は祖父が選挙区北部の御津町の出身で、お墓もあります。母も県内の金光町の出身」と源太郎氏。同区には菅代表も、墓参りなどで頻繁に立ち寄っている。

 出馬の決意は今年6月下旬だった。父は無言でうなずき、母、伸子さん(57)から「政治家の妻はやっても、母はやらない」と言われながらも手荒く背中を押された。

 中学生時代にいじめを受け、不登校になった。“政治”を意識し、高校中退後は子どもの権利条約批准を求める市民活動に参加。肥田美代子衆院議員(62)の秘書を経て、若者の政治参加を推進するNPO法人の役員を務める。

 今回、打って出たのは、「昨年暮れ、民主党代表選で不利な戦いを逆転勝利した父に触発された」からであり、「父が政権を取るための議席を、この手で1つもぎ取りたい」からだという。

 だが、岡山県は、橋本龍太郎元首相(66)、平沼赳夫前経産相(64)ら自民党が1−5区すべてを占める全国有数の“自民王国”だ。

 なかでも、1区は県庁や岡山市役所のある中心部で、「菅家のボン」が突如、名乗りをあげたことに、県政関係者は「勝敗より、むしろ来年の参院選で江田(五月)さんの議席を守るための党の戦略的な票固めでは」と分析する。

岡山1区
逢沢 一郎49自現
菅 源太郎30民新
植本 完治44共新
 定数4から2に削減された参院岡山選挙区は、平成13年の改選で自民の片山虎之助氏が圧勝し、民主が1減に。来夏は民主現職の江田五月氏(62)と自民現職の加藤紀文氏(54)が残るイス1つを争う。

 「今回、民主が岡山県の各選挙区に30〜40代の若手を立てたのは自民王国の一角を崩し、江田氏の基盤を強固にしたいからだろう。菅jr.なら全国的な話題も十分。激戦の末、敗れても、若いから箔(はく)がつく」(前出の県政関係者)

 有権者は約33万。前回の逢沢氏の得票は約10万5000で、民主新人の約6万を大きく上回った。今回も「10万票がヤマ」と両陣営はみる。

 「6選をめざすウチの先生は他県にも応援に行かねばならない。これまでの実績と小泉・安倍人気を前面に押し、ひたすら地道に組織を引き締めるのみ」と逢沢陣営。

 対する菅陣営は「小沢(一郎)さんの応援でも実現すれば、浮動保守票も切り崩せる。公明票約2〜3万も、自民との対立の経緯から流入が期待できる」。

 果たして、3代目vs2代目対決の行方は…。

(吉村剛史)


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