《zak女の雄叫び お題は「開」》星新一賞に11編応募 人工知能(AI)でどうやって小説を書いたのか (2/2ページ)

2016.03.23

 「囲碁の第1手が361手しかないのに比べ、小説の書き出しは10万単語の自由度がある。また、囲碁の場合はルールが明確で良手、悪手の判断ができ、打てば打つほど強くなる。一方、小説は文法的に合っていても意味が通じるかとうかは別問題で、文章の善しあしを判断できない。さらに多作になればよい作品を書けるのかどうかもわからない」

 小説「コンピュータが小説を書く日」は、現状に不満を持つコンピューターが小説を書く楽しみを覚え、そのため人間に仕えることを辞めてしまうという短編だ。文章は、佐藤教授らが開発したコンピュータープログラム『ゴーストライター』から出力され、人の手が一切加わっていない。まさにコンピューターが書いた小説なのだが、小説のあらすじ、構成を考え、文章を書かせたのは人間だ。自然な文章による数千字の小説を書くために、1万行のコマンドを入力したという。

 「人間がマニュアルを書き、部品をそろえ、コマンドを入力し、コンピューターが組み立てた小説。部品と手順を人間が用意し、コンピューターがある程度、自由な手順にそって何万通りもの文章を作ったからと言って、それは『コンピューターが書いた』と言えるのか?」

 報告会で、佐藤教授は哲学的な問いを投げかけた。今後、「作家ですのよ」のプロジェクトでは、人の関与をより少なく、あらすじづくりを含めて機械が担う研究を進めるが、佐藤教授は「コンピューターが小説を書くとは、小説を書く機械的な方法がわかったということ。それは機械が賢くなったのではなく、人間が賢くなったこと」と話す。

 不可能だと思えたことを可能にしてきたのが人間だと思えば、今後、さらに研究が進めば、いつかきっと、小説を書く機械的な方法が見いだされるだろう。そして、将来的には誰もがテーマやシチュエーションを自由に設定し、求める小説を手軽に“注文”できるようになるかもしれない。また、手順書があれば、AIを使って自分だけの小説を作ろうという人も出てくるだろう。AIが書いてもAIで書いても、その楽しみを享受するのは人間。進化するもの人間自身。そう考えると小説を書くAIも、人の創造性を犯すのではなく、創造を手助けする頼もしい味方に思えてきた。(M)

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 先週はリフレッシュ休暇で小笠原を旅行。青い海に癒やされました。

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 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。3月のお題は「開」です。

 

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