ノーギャラでの再スタートだ。混乱が続いていた全日本テコンドー協会が10日に理事会を行い、木村興治新会長(79)=日本卓球協会名誉副会長=をはじめ11人の新理事候補が承認された。
一連の騒動で陣頭指揮を執ってきた境田正樹検証委員長(56)は、「ドリームチームの理事が出来上がった」と胸を張る。過半数の6人を境田委員長が改革に携わったBリーグのバスケットボール人脈で固め、「テコンドー経験者は一切いません。選手強化の担当は強化委員会がやることになる」と説明した。
当然ながら、これまで協会を支えてきた正会員たちの心中は複雑。境田委員長は「正会員の方々ともしっかりヒアリングをしていきます」。退任に追い込まれ、「お茶くみや座布団敷きからやり直す」と一兵卒宣言をした金原昇前会長(65)もその1人だ。
マイナースポーツの競技団体はどこも火の車。金原前会長が強大な権力を握るに至ったのも、運営資金を自腹負担したことが背景にある。境田委員長も「この協会もお金はない」と苦笑しつつ、“金権政治”にメスを入れる考え。新しい理事は「無報酬です。電車賃ぐらいは出ますが」。
テコンドーとは全く畑違いで、報酬も出ない新理事体制が果たして機能するのか。境田委員長は「Bリーグもそうやってきた」と自信満々。ただ、2つに分裂していたバスケットボールリーグが、Bリーグに統一されて再スタートを切れたのは、4年総額120億円以上とされるソフトバンクからのスポンサー料によるところが大きい。そんな救世主がテコンドー界にも出現しない限り、今回の問題は年をまたいでくすぶり続ける。(夕刊フジ編集委員・久保武司)