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インサイドからボールを打ち抜くための備え トーナメント・オブ・チャンピオンズ優勝、ハリス・イングリッシュ

 【勝者のワザ】

 ハリス・イングリッシュがトーナメント・オブ・チャンピオンズをプレーオフで制した。8年ぶりのツアー3勝目だった。191センチの長身で、しなやかなスイングの持ち主だ。

 USPGAツアーの選手に限らず、プロのスイングは多種多様であり、どのスタイルが正しいのかには正解が見当たらない。確実に言えるのは、それぞれが自分の体格、骨格、関節可動域、柔軟度に応じて最適な動きを身につけているということ。

 イングリッシュはストロンググリップで、トップスイングでの左手首は、わずかに甲側に折れた状態を保っている。はやりの左手掌屈、右手背屈の格好ではない。アドレスでのグリップをキープしてスイングするタイプということになる。ロリー・マキロイと同じ動きになっている。

 アマチュアゴルファーでも、左手首が甲側に折れているタイプがいる。こうすると、アウトサイドインのカット打ちで、スライスになりやすい。そう指摘されている人も少なくないのではないだろうか。

 実は、この格好だけで、そんな結論を出すのは間違っている。実際、イングリッシュは、ダウンスイングでインサイドからボールを打ち抜いている。

 そうするための備えが、アドレスでできている。ストロンググリップの場合、右手はやや下からクラブを握ることになる。その分、右肩が低くなって、上半身は右に傾く。これは、カット打ちを防止するための必須項目のひとつだ。

 まだある。右つま先をわずかに開いている。セオリーとされる「右足はターゲットラインに対して直角になるように」ではなく、つま先を開いて構える。この効用はバックスイングを大きくとりやすく(右ターンしやすく)、右サイドにウエートをシフトしやすいこと。

 さらに、ダウンスイングで上半身が突っ込んでしまう(アマチュアに多い)動きを封じ、スイング軸をキープしやすい。また、右カカトの浮き上がりが、ボールを打ち抜いてからの、いわゆるベタ足状態を作りやすく、打ち抜くスピードは速く、ボールに伝えるエネルギーは大きくなる。

 トップで左手首が甲側に折れている人は、それを直そうとするより、その格好からの打ち方をマスターしていった方が上達は早く、飛距離アップにもつながる。

 ■ハリス・イングリッシュ 1989年7月23日ジョージア州生まれ、31歳。191センチ、84キロ。ジョージア大ゴルフ部時代の2011年、ネーションワイド・チルドレンホスピタル招待でアマチュア優勝を成し遂げ、プロ転向。13年フェデックス・セントジュードクラシック招待でツアー初優勝を果たした。同年11月にはOHLクラシック・マヤコバで2勝目。その後、優勝からは遠のいたが、着実に実績を築いた。20年にはキャリア2度目のプレーオフシリーズ最終戦に進み、ポイントランキング12位になった。

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