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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】「またか」では済まされなかった森会長の失言 “昭和の頑固オヤジ”は通用しない時代に

「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」

東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の会長である森喜朗氏の女性差別的な発言が話題になった。

正直なところ、彼のこのような失言に対して、日本の多くの方は、大して驚いてはいないはずだ。過去の言動の数々からも、昔からあの方は「そのタイプ」だと、諦め半分に思っている。

私なども「またか…」程度で受け取っていた。

しかし一番厄介なのは、森氏の発言が海外のメディアでも「Tokyo2020大会の会長が会議で性差別発言」と報じられたことだ。

日本で感じる感覚以上に、世界の標準は男女平等やLGBTなどに対しては厳しい感覚になっている。

ましてや今回のオリパラは男女平等参加というのがテーマのひとつでもある。

日本は民度も高い文化的先進国だと思われているはずなので、そのような彼の発言に、かなり多くの人が「驚いて」「失望」したであろう。

しかし世界は、SNSによりマッハのように言葉が伝わっていく。彼のような「頑固オヤジ」ひとりの失言だけで、日本人の多くがそんな民度だと思われるのは困ってしまう。

アメリカなどでも仕事をしているバイリンガルの友人は、海外向けのSNSなどで「古いタイプの頑固オヤジで失言が多い」と書いたという。しかし海外からの反応は正直である。

「そんな古い考えの方が、過去においてプレジデントになり、オリパラ会長を任せること自体が日本文化への不信感だ」

その話を聞いて「グウの音」も出なかった。そんな政治に慣れてしまっているせいなのか、確かに、彼のような昭和を代表する頑固オヤジが、どうしてこの時代においてオリパラ会長になったのであろう。

思い出すと彼は緊急入院した小渕恵三氏の後を継ぐように、突如として内閣総理大臣になった。タナボタ的な就任を揶揄(やゆ)する方も多かった。

だが、「他人に対する配慮が天才的にうまかった」と、世間には見えない彼の強い政治力を語る政治家もいる。

つまり単なる昭和的な頑固オヤジなのではない。その辺りのややこしい物語は、書き始めると1冊の小説になってしまうので、適当にしてしまうが、一国の総理までになった何かを持っているのは確かだ。

昭和という時代においては、彼のような頑固オヤジの失言を「でも本当はいい人なんだよ」と許してしまう文化があった。

私自身も今となっては比較的古いタイプなので、彼のような頑固オヤジがいうむちゃくちゃな与太話が嫌いではない。

またそういう方の言葉には、今のようなSNSの世界では成立しない、表面だけでは語れない含蓄もある。

「女性の話は長いけど、俺みたいなクソジジイも、話が長いのは一緒か」などと笑いを付け加えれば別の結果になっていたかもしれないと、去りゆく、昭和の頑固オヤジを語ってみた。

■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。主な出演番組は『アウト×デラックス』(フジテレビ系)など。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も随時更新中。映画『めぐみへの誓い』(19日公開予定)で拉致の実行犯役を演じる。

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