私は早朝の時間が大好きだ。自動的に朝5時には起きる。世の中すべてが寝静まっていて、その時間が自分だけのような気持ちになるからだ。
二日酔いでなければ、すぐにコーヒーをいれ、台本を読んだり原稿などを書いたりしている。
気がつくと8時になっていて、朝のワイドショーが横並びに始まる。チャンネルを切り替えながら、民放各社のワイドショーを見比べる。この“ワイドショー・ダービー”は、テレビ局の社是や今の経済的な勢いが一番如実に現れる。
そんな“ダービー”を見ていると、自民党の白須賀貴樹衆院議員が17日に離党届を提出したという報道があった。
彼は2月10日午後8時半から午後10時ごろまで東京・麻布のラウンジに行き、売り上げに苦しんでいる知り合いのために貢献したという。
しかし、少し前も銀座のクラブ遊びで、自民党議員がすでに3人離党したはずである。
なかなかの「チョイグレ」である。
また、週刊誌報道では、厄介なことに彼は「同伴」をしていたというのだ。午後6時すぎから午後8時すぎまで、ホステスの女性と高級フレンチを堪能。その後、2人で麻布の会員制高級ラウンジに入店した。
この時代になんとも大胆不敵である。いわゆる「パパ活」疑惑とも報じられている。
一部始終を写真に撮られているので、明らかにどこからかタレ込みがあり、しばらく追跡されていたのだろう。
この手の報道は、結果だけが世間に触れるが、実はその手前には膨大なリークやウワサが積み重なっているものだ。
彼は、女性の名誉のためにも『パパ活』ではなく、あくまでお客さんとホステスの関係と弁明していたが、そんな言葉を信じる人は少ないだろう。私もニヤリとほくそ笑んだ。
別にいい子ぶるわけではないが、私たちも人前に出ることを生業としているので、コロナ禍においては、この手の問題には平時とは桁違いに気を使っている。
決して筋が良いとはいえない私でさえも、このご時世にそんなエリアをフラフラすることはない。だからとても不思議である。
政治家のマインドとは摩訶(まか)不思議だ。この先、ご本人と会う機会があったならば、その「勇者」たる理由をじっくりと聞いてみたいものだ。
以前、高級官僚をしていた方と飲んだときのことを思い出した。
彼は、若いときに国会の答弁書を作成するようなポジションにいた。彼いわく、昭和に名を残した与党政治家などは、逆に自分で適当に答えるから心配ご無用、答弁書なんていらない、とさっさと飲みに行ってしまうという。
どんな状況であろうと野党を適当に論破する自信があったのだろう。
それくらい政治家としての資質があるならば、「同伴」くらいは百歩譲ったとしても、彼の経歴を見る限り、「やじ」と「中国IR企業との癒着」ぐらいが売りなので、そこまでの器であるかは疑問がある。
しかし、俳優並みイケメンであることは確かで、かなりモテるのであろう。
■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。主な出演番組は『アウト×デラックス』(フジテレビ系)など。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も随時更新中。公開中の映画『めぐみへの誓い』で拉致の実行犯役を演じる。