だがその手のレベルのスキャンダルが起きてしまう構図も、あながち理解できないわけではない。ユーチューバーというのは、そのセンスが視聴者やファンとダイレクトにつながることで、ルール無用の筋の悪い者に対しても天文学的な広告料が発生する。筋道を大事にする昭和的な芸能界とはまったくシステムが異なっている。
とくに一番異なっているのは、芸能事務所という「監督機関」がないことだ。突発的な才能には願ってもないことかもしれないが、同時に暴走にもつながる。
昨今、大手芸能事務所を辞めて独立する芸能人が増えている。彼らにおいても、YouTubeという存在は大きいはずだ。
だが大本であるYouTubeを運営しているグーグル社の社是は解放感に満ちているが、すべてがうまくいくとは思えない。自由気ままな空気で開く才能と、逆に監督的な存在が必要な才能というのがある。
昨今の芸能界の「表層」で一番大きな出来事は、芸能パワーゲームとは無関係で始まった、フワちゃん(27)のブレークだろう。これは昭和的なパワーゲームが壊れ始めていることを如実に物語っている。
芸能界、あと5年もしたら、すべてはジャングル化していく。私たちも武装しなくてはならないようだ。令和の危険動物には負けたくない。
■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。主な出演番組は『アウト×デラックス』(フジテレビ系)など。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も随時更新中。公開中の映画『めぐみへの誓い』で拉致の実行犯役を演じている。4月10~18日に東京・日本青年館ホール、5月2~5日に大阪・COOL JAPANPARK OSAKA WWホールで上演される舞台『BACK TO THE MEMORIES』に出演。
