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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】自粛疲れと庶民の“一揆飲み” 「ド偉い先生方」との間に生まれた分断

とかく、日本人は「お上」のいうことをよく聞く体質だといわれる。

民度が高いと表現されることもあるが、ともすれば、権力にとって「都合がいい」だけなのではと、冷たい笑みが漏れてしまう。その「おとなしさ」は本当に正しいことなのだろうか。

21日、4都県に発令されていた緊急事態宣言が解除された。だが、飲食店への時短要請は、1時間延長で継続することになった。

ところが、東京・上野辺りの「センベロ街」では、要請された時刻を過ぎても多くの店舗が閉める気配もなく、あえて無視するかのように多くの店舗は人であふれ返っていた。

また、自粛疲れを発散するかのように、多くの老若男女が「大騒ぎ」をしているという。

若者たちは店舗ではなく「路上」や「公園」などで飲む行動に走っている。その状況を「無法地帯」と称するメディアもあるが、私は彼らを大上段に構えては見られない。

このような状況は日本だけではなく、米フロリダのマイアミビーチでは、路上においてのお祭り騒ぎが制御不能となり、地元当局が非常事態を宣言して夜間外出禁止令を出したという。

さすがに日本でそこまでの騒動はないだろうとは思うが、庶民の思いは万国共通のようだ。

カミュの小説『ペスト』を読んでも、昔から疫病への対応といえば、市井の動きを止めることであるのは分かり切ったことである。

マスメディアに呼ばれるような「ド偉い先生方」のいうことは100%正しいのだろう。だがその正しさが、誰のための正しさかはボンヤリとしたままだ。

実際に私が住む中央線沿線では、ここ1年で明らかに人身事故により運行ストップが増えている。データを調べても2020年の自殺者数は前年より1000人近く増えた。それは11年ぶりの増加だという。コロナ禍の影響なのは言うまでもない。

だが、同時に株価は沸騰している。メルセデス・ベンツを売っている仲間いわく、「このご時世に、大きい声じゃ言えないような売れ方だ」といっていた。

その分断は経済学的には当たり前なのかもしれないが、人情としては理解したくない。「ド偉い先生方」はその理屈を理解しているが、大きな声ではいわない。自分たちが安全地帯にいるともいわない。

いずれは過ぎ去るのだろう。多くの人が、また楽しい日常がやってくると願ってもいる。

だが、この分断が残したものは自殺者の数が如実に語るように、生やさしいものではない。

分断の先には、借金がめぐりめぐって、金持ちこそリスクだらけになる社会が待っているかもしれない。中南米のようなリスクだらけの超格差社会になってもいいのだろうか。貯金があるからといって、枕を高くして眠ることができると思ったら大間違いだ。

「農民一揆」とは、江戸時代に農民が領主や代官などの悪い政治や重すぎる年貢に対して、村単位などの集団で起こした暴動だ。今や禁止されつつある「一気飲み」ではあるが、言葉の響きもあり、つながっていると感じるのは私だけであろうか。

■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。主な出演番組は『アウト×デラックス』(フジテレビ系)など。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も随時更新中。公開中の映画『めぐみへの誓い』で拉致の実行犯役を演じている。4月10~18日に東京・日本青年館ホール、5月2~5日に大阪・COOL JAPANPARK OSAKA WWホールで上演される舞台『BACK TO THE MEMORIES』に出演。

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