今回の法改正によりネット投稿者の身元特定が容易になると、これからしばらくの時期、その手の裁判が増えることになるだろう。
そして、違法な中傷投稿をした者が大量に逮捕されるはずだ。痛い目に遭う投稿者のニュースも増えるだろう。厳罰化で酔っ払い運転が減った事例と同じように、そういう「粛清」は必要である。
自動車でさえも、100年にわたる長い歴史の中で大きな事故などの歴史を経て、最新のブレーキやエアバッグ、自動運転とやっと安全なものになってきている。それを考えると、ネット自体が一般社会に出現してまだ30年くらいである。
そしてこれから先、ネットが社会インフラの基幹システムになるのは間違いない。人間自体がネットの使い方をまだ「勉強中」といってもいいだろう。こうした法的な紆余曲折も仕方のないことだ。
昭和の時代にも、黒板に誰かの悪口を書くヤツがいたように、世の中には一定数のそういう「ヤカラ」が存在する。
そういうことをする奴というのは決まって、表社会的には、逆に虐げられた弱者であるケースが多い。
だから中傷というのはいつの時代も弱者の反撃という要素もある。その逆に大金持ちは芸能人のスキャンダルなどには一ミリも興味を示さない。
なんと悲しい性なのだろう。
■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。『すばる』で小説『女優』を連載中(全3回)。5月2~5日には大阪・COOL JAPANPARK OSAKA WWホールで、舞台『BACK TO THE MEMORIES』を上演。公開中の映画『めぐみへの誓い』で拉致の実行犯役を演じている。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も更新中。
