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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】ネット中傷への“粛清”が必要 「改正プロバイダー責任制限法」成立で人物の特定が容易に

仮面舞踏会ではないが、不思議なもので、人は顔を隠すと、大胆になるようだ。

ネット上で誹謗中傷を行った人物の特定を容易にする「改正プロバイダー責任制限法」がやっと参議院本会議で可決・成立した。

今回、政府はやっと対策強化を進めたが、リアリティー番組『テラスハウス』に出演していた女子プロレスラー、木村花さんが、悪質なネット中傷を受けて亡くなったことが大きな後押しとなった。過去においても、すでに数え切れない「犠牲者」がいるのは言うまでもない。

今までは、ネットで中傷された場合、被害者が書き込んだ投稿者を特定するには、そのサイトを運営している事業者とプロバイダーの双方に開示を求める必要があり、2回の裁判が必要だった。その時代遅れの手続きを今回の改正法では、手続き1回で中傷などを書き込んだ人を特定しやすくする。

ネットにおける自由な表現や双方向性を阻害するという反対意見もあるが、私はネットにおいては“特別”な自由自体がないと思っている。

ここまでネットがリアル社会と絡み合っている時代、被害を受ける人の気持ちは、ネットでも駅前でも同じである。だから、ネットにおいて発言する側も、駅前で叫んでいると同じだと思って発言しなくてはいけない。

実際にフェイスブックなど、実名発信が前提のSNSは中傷などのトラブルが比較的に少ない。犯罪の内部告発など以外は、「匿名」では自制するブレーキが緩むのが「本能」であるらしくロクなことにならない。

今回の法改正によりネット投稿者の身元特定が容易になると、これからしばらくの時期、その手の裁判が増えることになるだろう。

そして、違法な中傷投稿をした者が大量に逮捕されるはずだ。痛い目に遭う投稿者のニュースも増えるだろう。厳罰化で酔っ払い運転が減った事例と同じように、そういう「粛清」は必要である。

自動車でさえも、100年にわたる長い歴史の中で大きな事故などの歴史を経て、最新のブレーキやエアバッグ、自動運転とやっと安全なものになってきている。それを考えると、ネット自体が一般社会に出現してまだ30年くらいである。

そしてこれから先、ネットが社会インフラの基幹システムになるのは間違いない。人間自体がネットの使い方をまだ「勉強中」といってもいいだろう。こうした法的な紆余曲折も仕方のないことだ。

昭和の時代にも、黒板に誰かの悪口を書くヤツがいたように、世の中には一定数のそういう「ヤカラ」が存在する。

そういうことをする奴というのは決まって、表社会的には、逆に虐げられた弱者であるケースが多い。

だから中傷というのはいつの時代も弱者の反撃という要素もある。その逆に大金持ちは芸能人のスキャンダルなどには一ミリも興味を示さない。

なんと悲しい性なのだろう。

■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。『すばる』で小説『女優』を連載中(全3回)。5月2~5日には大阪・COOL JAPANPARK OSAKA WWホールで、舞台『BACK TO THE MEMORIES』を上演。公開中の映画『めぐみへの誓い』で拉致の実行犯役を演じている。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も更新中。

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