また「Z世代」は物心のついたときからスマホがあり、行動すべてにスマホやSNSが関わっているという。
確かに23歳になる私の娘も、私がその年代だった頃に比べて圧倒的に物欲がなく、出世欲を丸出しにすることもない。
だから「Z世代」からすると、まだ昭和を引きずっているような私たち世代が、異様にギラギラしていて滑稽だという。
私は「明治男」という言葉を思い出した。私たちバブル世代とはまるで違う昔の乱世を知っていて、人がたくさん殺されたりするような話を笑いながらする祖父が怖かった。彼らとは絶対に価値観を共有することは無理だと直感した。
おそらく「Z世代」は私たち世代に対して、似たような違和感を覚えているのだろう。
昭和感覚で心配することはない。泣いても笑っても、時代は列車のように走り続ける。彼らは彼らで、時代に対応しながら何かを作っていくはずだ。だから無理に理解してまで関わることもない。
気の早い話で、ポスト「Z世代」は「アルファ世代」と名付けられていて、その世代はSNSを超え、AIこと人工知能との共生だという。
「SNS疲れ」などという言葉があるが、「AI疲れ」などという言葉が使われるはずだ。もう訳が分からない。
気がつくと、好きなことができる時間も先が見えてきた。だから、こっちはこっちで好きにやらせてもらう。
■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。『すばる』で小説『女優』を連載中(全3回)。公開中の映画『めぐみへの誓い』で拉致の実行犯役を演じている。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も更新中。
