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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】熱海土石流災害のコアにある「昭和病」 特効薬はやはり選挙しかない

アウトドア系の雑誌でコラムなどを書いているゆえ、無計画と思えるような山林開発を目にすることが多い。

地方の不景気や人口減少が根っこにあるのは言うまでもないが、そこに林業問題や、ずさんな乱開発、メガソーラー利権などが入り乱れてむちゃくちゃなのだろう。

気候変動の時代、フィールドにおいて、それらを見るたびに嫌な気持ちになっていた。

開発自体を否定するわけではないが、明らかにバランスを欠いた状態に思えるものが多すぎる。自然をナメている。

静岡県熱海市伊豆山地区で起きた土石流災害。最初にその映像を見たとき、あまりに巨大なエネルギーに対して、逆に現実離れした感覚を覚えた。だが紛うことなき悲しい現実である。被害の大きさに言葉も出なかった。

「自然災害の恐ろしさ」

その映像を初めて見た多くの方の胸に、そんな言葉が突き刺さったであろう。私も山森の保水力問題が頭をよぎった。しかし少しするとマスコミ報道の角度が変わってきた。

その災害には「人災」の可能性があるという。しかも日本が昭和時代から引きずり続けている「土木問題」が、そのコアにあるという報道も徐々に出てきた。

この話を聞いたとき、激しい憤りと同時に深くガッカリとした。まさに戦後から続いている「昭和病」だ。私が実際にフィールドで目にした山林の乱開発の中にも、その影響下にあるケースもあるはずだ。

スマホ中毒者だけは増えたが、結局日本にはまだまだ古い「戦後」が続いている。

コロナ禍の混乱、極東アジア問題、無数の利権、閉鎖感、それらすべてはつながっている。

戦後76年だ。遺伝子なのか列島という土地柄なのか分からないが、これから先も「昭和病」は続く。少なくとも、私たち世代では完治不可能だろう。

意地悪な言い方をすると、日本はこの病を本当は治したくないのかもしれない。安酒を飲んで世の中に文句を言う割に、選挙に行かないヤカラが多いのがそれを一番象徴している。

延々と続く微熱や腹痛に慣れ親しんでしまい、それが逆に心地が良い「変態気質」になっているのかもしれない。

月並みな言い方になってしまうが、「昭和病」への特効薬はやはり選挙しかない。

国政選挙は当然だが、多くの方がスルーしてしまいがちな地方議会選挙が大事だ。

最後に、昭和を知らない無垢(むく)な次世代に期待したい。だがそんな彼らもSNSばかりでどこか頼りない。

前回の衆院選での若者投票率を調べると、10代が40・49%、20代が33・85%という驚きの数字だ。ちなみに30代は少し回復して、それでも44・75%。いかりや長介さんの名ぜりふではないが、「ダメだコリャ」である。

乱暴な言い方になってしまうが、彼らはSNSでは強い正義感にあふれていて、壮言大語の正論ばかり。だが選挙となると妙におとなしくなる。選挙に行かないことが「炎上」することはない。どうしてであろう。

 ■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も更新中。

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