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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】スター要らずの動画サブスク 観始めた理由は「面白そうな物話かどうか」のみ Netflixで、韓国の連ドラ『イカゲーム』大ヒット

Netflixで、韓国の連ドラ『イカゲーム』がこの秋に配信スタートした。あれよあれよという間に全世界で爆発的なヒットを記録、世界83カ国で視聴回数が第1位になった。

娯楽作品において、トム・クルーズやブラッド・ピットといった美白人が出演しなくとも、アジア人だけで世界的なヒットが可能なことを証明したことになる。

もちろんそれなりの予算と秀逸な脚本、トップレベルの演技力が必要なのは当然だが。

私は2日間で全話を一気に「観破」した。正直な感想をいうと、目新しい物語ではなく、日本でもヒットした映画『カイジ』や『バトル・ロワイアル』のような巨大組織が運営する不条理なゲーム生き残り合戦物語だ。

ただ俳優たちのリアリティーのある演技と、その世界観を成立させる物語構成が素晴らしい。極端な美青年や美女が無駄に出演することはなく、また出演者それぞれに感情移入する仕掛けにあふれている。

このあたりが、日本の映画やドラマが一番不得意な部分で、物語や演技だけで勝負することを避け、必ず「人気者」をキャスティングする。言うまでもなく、これは制作会社としてのリスクヘッジなのだろう。

同じように、この『イカゲーム』の企画も、Netflixで映像化される前、韓国の映画会社にはまったく相手にされていなかったという。

その理由は、話が不条理で、とにかくグロテスクだからだと。しかしNetflixに拾われ世界を相手に大ヒット。また、Netflixではこれからも韓国のコンテンツに投資するという流れが強くなった。

NetFlix、Hulu、Amazon Primeと、かなり広範囲に「動画サブスク」を観ている私の意見としては、この手の作品セレクトにおいてはスターが出演しているか否かの意味が、既存の映画やドラマなどよりも低いと感じている。

画面の中で、次に見る作品を選ぶときに、出演者よりも物語の概要を重視している。

また多国籍言語の「吹き替え・字幕」が自由自在のシステムなので、出演者の名前や顔を知らなくとも、物語そのものに集中できる。

だから、私なども、昨今注目の北欧ドラマなどを全話観てしまうこともある。その演技力が世界レベルなのは言うまでもないが、私がこの連ドラを選んだにおいては、俳優の知名度などはまったく関係なかったといっていいだろう。観始めた理由は、作品紹介を読んで面白そうな物話かどうかのみである。

コロナの巣ごもり需要もあり、Netflixは、年間170億ドル以上をコンテンツ製作に投じると報じられた。

ハリウッド映画を追い越す勢いで、逆流的に、ハリウッド俳優たちもこぞってNetflix作品に出演するケースが増えている。世界全体の娯楽プラットフォームが一気に変わりつつある。

身近な話においても、テレビ視聴率の意味も大きく変わり、「狭いところ」であぐらをかいていた方たちはめまいがする毎日だろう。

だが私自身も、食べさせてもらった感謝と同時に、その構造に疑問を感じていた部分もあり、この変化は必然だと感じてしまう。

■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画『首都高速トライアル』で俳優デビュー。90年には『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。YouTube公式チャンネル『大鶴義丹の他力本願』も更新中。

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