北朝鮮の闇ネットワーク 武器売買の実態に迫る スリリング過ぎるドキュメンタリー映画「ザ・モール」 1/1ページ

映画「THE MOLE(ザ・モール)」の一場面(C)2020 Piraya Film I AS & Wingman Media ApS
映画「THE MOLE(ザ・モール)」の一場面(C)2020 Piraya Film I AS & Wingman Media ApS

半島から日本近海に向けてたびたび発射されるミサイル。射程距離1350キロのスカッドミサイルが5基で約500万ドル(約5億円)という。そんなプライスリストが公開中の映画『ザ・モール』で暴かれている。あまりにもスリリング過ぎるドキュメンタリー。もっとバズってもいい作品である。

カメラが迫るのは北朝鮮の武器売買に絡む闇のネットワークの実態だ。タイトルは「スパイ」という意味だが、プロの諜報部員ではなく、一般人がスパイとして切り込んでいくのだ。武器は隠しカメラと盗聴用マイク。スパイの正体は、デンマークのコペンハーゲン郊外に家族と暮らす元料理人のウルリク・ラーセン。プロフェッショナルなトレーニングを受けたこともない一般人だ。

2011年、地元にある北朝鮮友好協会に入会することから始まる。北朝鮮の魅力を世界に広めようという組織で、ウルリクによれば「気のめいるような人々の集まり」。組織に貢献し、ポジションを上げていく。北欧4カ国を束ねるトップになり、スピード出世で周囲の信頼を得ていく。さらにKFA(朝鮮親善協会)の会長である謎めいたスペイン人に知己を得て、闇へと一歩近づいていく。

映画は元フランス軍外国人部隊のジムに投資家を演じさせ、北朝鮮側の闇のビジネスを進める。その過程は、ジムのPRビデオを撮るためというオフィシャルな撮影に加え隠しカメラが記録する。<page/>

国連から制裁を受けている北朝鮮は、かいくぐって石油などの必需品を輸入しようとする。その際の船の動き、船名の変更の仕方などは、一般にはまったく知られていない事実で驚くばかり。

北朝鮮の売り物は武器と麻薬。ピョンヤン郊外のスラム街の地下レストランでの北朝鮮側との秘密交渉、売買価格が記された兵器のメニューなど闇の部分がさらされる。

なかでも驚きは、ウガンダの島を舞台にした、巨大な工場建設計画。表面はリゾートホテルで、ゴルフ場なども設置されている。その地下に、巨大な武器・麻薬工場を作るという計画が、政府の要人を巻き込んで練られていくのである。

スパイ小説より、スパイ映画より格段に衝撃的で、元料理人のミッションを見守るように観客は映画にのめり込む。

顔出しで出演している元料理人、元フランス軍外国人部隊員の、その後の安全が保障されることを願うばかりだ。

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