EV放浪記

大切なのは“サステナブルな野生” 日本EVクラブ代表・舘内端さんが語る「EVラリー」の魅力 1/1ページ

静かに自然に包まれてみる
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「サステナブルな〝野生〟なんだよ、大切なのは」

電気自動車(EV)のユーザーが全国から長野県白馬村を目指して走る「ジャパンEVラリー白馬」。その創設者で日本EVクラブの代表、舘内端さん(74)はそう話し始めた。

「移動というのは人類に必要なもの。車の運転には、生命をいきいきさせる要素がある。それは野生の本能ともいえる。でもエンジンを積んだ車は、二酸化炭素(CO2)や有害物質を排出する。EVに切り替えたら、環境負荷を減らしながら野生を保つことができる」

元レーシングエンジニア。競技車両を設計していた。しかし1980年代、排ガスによる健康被害などが社会問題となり、自動車の未来に危機感を抱く。愛車だったジャガーを売って電動フォーミュラカーを製作し、米国でレースに参戦。94年に日本EVクラブを発足させ、環境問題の解決のためにEVの啓蒙・普及に取り組んできた。しかし、バッシングや誤解も受けてきたという。

そのひとつが「EVは遠くまで走れないから普及しない」というもの。どこまでも走れることを証明してやろう、と内燃車を改造したコンバージョンEVで日本縦断などに挑戦。さらに、多くのドライバーが参加できるイベントとして計画したのが、この「EVラリー」だった。

「日本中から同じぐらいの距離になるところがいいね、と言ってたところに、『環境問題をアピールするイベントをしたい』と白馬村の人が訪ねてきたんですよ」

渡りに船だった。2回のプレイベントを経て、2014年から「ジャパンEVラリー白馬」がスタート。年1回の恒例行事として定着し、受け入れる白馬村でも、宿泊施設などへの充電設備の整備などが進められてきた。

「世界のCO2排出量の約20%を自動車が占めている。もう瀬戸際だということを欧州の人々は理解して、ガソリン車全廃を決めた。米国と中国も続いた。日本はどうするのか。私は同じことを言い続けるだけです」

遅かれ早かれEV化の波は日本にも達するはず。舘内さんは、ネガティブに捉えるのではなく、楽しむのがいい、という。

「EV化は『ゲームチェンジ』です。野球をしていたのに、明日からサッカーになる。充電に時間がかかるとか文句をいうのは、そんな大きなボールはバットで打てないと怒るのと同じ。でも、内燃車とEVはまったく違う乗り物で、ゲーム自体が変わる。こういう大自然の中を、匂いも音も出さずにシューッと走っていける。これこそ自動車の新しい感覚、サステナブルな野生ですよ。眠っていた感覚がよみがえってくる気がしませんか」

取材後、舘内さんの言葉を思い出しながら、北アルプス山麓をホンダeでシューッ。野生という言葉に刺激され、いつもよりアクセル強めで。 (ライター 篠原知存)

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