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SAEKOが放つ“メタル愛の結晶” ヴァッケンのステージにも立った歌姫がドイツで再始動1/1ページ

Photo: Toni Salminen
Photo: Toni Salminen

90年代後半に大阪で活躍していたが、2000年に病に倒れリタイヤ。主治医からの言葉は「音楽が多大なストレスになっている。このままでは壊れてしまうから音楽から離れなさい」だった。メタル一筋を貫いてきたのに…。毎日、苦しくて泣いて、日本から離れたいと欧州へ旅立った。

「ドイツにいたらたまたま、日本で歌っていたころのファンがメールをくれて。『どこにいるの?』と聞かれたから、ドイツにいると。そうしたら『一緒にフェスに行こうよ』と誘われて。それがヴァッケンでした」

ヴァッケン・オープン・エア(Wacken Open Air)は、スコーピオンズ、マイケル・シェンカー、ウリ・ジョン・ロート、ハロウィンなど母国のレジェンドはもちろん、英米のトップバンドも出演する世界最大規模のヘヴィメタル・フェス。

「3日3晩、ケタ違いのスケール。病気が完治したらここで歌いたい。瞬間、そう思って。会場内に1つだけあった固定電話からすぐ親に連絡して、〝私はここで歌いたい〟って伝えました」


ドイツに移住し、最初はあった異国の壁も現地のミュージションの助言でなくなった。「欧米人よりパワーがないと思ったりもしたけど、みんなから『何でそんなにガムシャラなんだ、頑張らなくていい』『自分らしさを大事に、日本人しかできないこともあるはず』と。自分勝手な思い込みが外されていきました」

そして05年、夢がかなう。アジア女性として初めてヴァッケンのステージに立った。ただ、売れてくれば様々なトラブルも生じる。「契約問題とかすぐに裁判沙汰。私がお金になるとわかると、余計な輩が増えた。だから06年にアルバムを出して沈黙。それから著作権について勉強したり、誰にも邪魔されないよう環境を整えて。すべて解決したのは数年前ですね」

いったん帰国していたが、再出発の態勢が整ったところでパンデミック前にドイツへ。欧州のトップミュージシャンを従えた『Holy Are We Alone』は新生SAEKO、自信満々のアルバムだ。

「それぞれの曲のカラーは違っても統一感はある。そんなアルバムを作りました。何のバックボーンもなかった日本の女子がドイツで、世界的なミュージシャンをバックにシャウトしている。可能性は誰にでもあることを、この閉塞感のなかで頑張っているっていうことを、わかってもらえたら。逆輸入シンガーとして、日本のステージにもぜひ立ちたいです」

日独にまたがるメタル道が再びスタートした。

ドイツ在住の〝メイド・イン・ジャパン〟メタル・シンガー、SAEKOの最新作『Holy Are We Alone/我等独尊』は、20年の時を超えたひたむきなメタル愛の結晶だ。


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