ケント・ギルバート ニッポンの新常識

衆院選で興味深い「自民微減」「維新躍進」 安全保障ベースにした経済政策が要因か 「強く存在感のある日本」を求める米には朗報 1/1ページ

議席が微減に止まった自民党
議席が微減に止まった自民党

第49回衆院選は10月31日、投開票された。大幅減とみられた自民党が公示前から15議席減に踏みとどまり261議席(絶対安定多数)を獲得した一方、共産党との野党共闘で議席増が予想されていた立憲民主党は14議席も減らして96議席、共産党は2議席減だった。日本維新の会は11議席から41議席に躍進した。この結果は興味深い。

今回の主要争点は、「新型コロナウイルス対策」と「経済政策」「外交・安全保障政策」の3つとされた。

この中で、「外交・安全保障政策」は、強くアピールする候補者は少なかった。ただ、前出の議席を見る限り、有権者は「外交・安全保障政策」を重視した可能性が非常に高いと思う。

共産党は党綱領に「日米安保廃棄」「自衛隊解消」を掲げている。立憲民主党は政権交代した場合、その共産党から「限定的な閣外からの協力」を得ることで合意した。これには、立憲民主党を支援する連合の会長も「あり得ない」と不快感をあらわにしている。

北朝鮮が公示日の19日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を行い、中国とロシアの海軍艦隊が17~23日、日本列島をほぼ一周したことも、国民に安保政策の重要さを再認識させたといえそうだ。

現在の東アジアにおける緊張状態を考えたとき、有権者の多くが「立憲民主党に投票する選択肢はない」と考えたとしても納得できる。

米国は、東アジアにおいて「強く存在感のある日本」を求めているため、今回の選挙結果は朗報といえる。

台湾の蔡英文総統が先月末、台湾軍の訓練のための米軍駐留を認めたが、これは台湾が舞台となって米中対立が日に日に激化していることを世界に再認識させた。中国が猛反発していることからも、米国は自公による安定政権に一層期待することになる。

経済政策に対する国民の思いも、結果に大きく影響した。

立憲民主党や共産党などの左派野党が訴えたのは、富裕層や大企業に負担を求める分配政策だった。自民党は企業の競争力を高めて利益を増やして、その恩恵を分配するとした。公明党に配慮したといえる。

「バラマキ政策」を全否定するつもりはないが、そもそも分配とは「社会・共産主義的な政策」であり、景気を循環させる政策とは言えない。高所得者に増税したところで、生産によって新たに生まれる財源ではないため、経済には不健康なのである。

左派メディアを中心に「ドナルド・トランプ前政権は格差を拡大させた」という批判があるが、規制緩和や減税といった経済の自由化は、貧困層や失業率を減少させた。むしろ格差を縮めたのが事実だ。

岸田文雄首相は、総裁選で「分配と成長」を主張していたが、いつの間にか「成長と分配」に修正した。「失われた30年」とされる日本経済を復活させるには、経済の自由化しか道はない。迷うことなく、大胆な規制緩和を含む経済政策にかじを切ってもらいたい。

■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

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