「台湾情勢緊迫、北京五輪前後が危ない」米軍以外で初、海自が豪軍艦を「武器等防護」 クアッド、来春日本開催で調整1/1ページ

共同訓練する海上自衛隊の護衛艦いなづま(奥)と豪海軍のフリゲート艦ワラマンガ(海上自衛隊提供)
共同訓練する海上自衛隊の護衛艦いなづま(奥)と豪海軍のフリゲート艦ワラマンガ(海上自衛隊提供)

海上自衛隊の護衛艦が今週、オーストラリア海軍フリゲート艦と共同訓練を行った際、安全保障関連法に基づく「武器等防護」を実施した。米軍以外を対象とした実施は初めて。来年春には、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」の首脳会談を日本で開催する方向で調整が進められている。軍事的覇権拡大を進め、台湾への野心を強める中国を牽制(けんせい)する狙いのようだ。

「日本とオーストラリアの部隊間の相互運用性が向上した。両国の防衛協力にとり、極めて重要な進展だ」

防衛省関係者は、こう語った。

海上自衛隊の護衛艦「いなづま」と、オーストラリア海軍のフリゲート艦「ワラマンガ」が10~12日、四国南方の太平洋上で共同訓練をした際、武器等防護が実施された。武器を使用する事態は生じなかった。

武器等防護は平時から他国の艦艇や航空機を守る活動で、2016年の安保法施行で、自衛隊の新たな任務となった。日本はオーストラリアを「準同盟国」と位置付けている。

安全保障環境が厳しくなるなか、日本は日米同盟を外交・安全保障の基軸にしながら、自由主義諸国との協力関係を強化している。

今年9月、クアッドの首脳会談が米ワシントンで開催されたが、日本政府は次回会談を、日本で対面式で開きたいとの意向を参加国に打診した。岸田文雄首相=円内=はこれに先立ち、12月上旬までに訪米し、ジョー・バイデン米大統領との会談に意欲を見せている。

一方、中国共産党の習近平党総書記(国家主席)は11日、第19期中央委員会第6回総会(6中総会)で40年ぶりの「歴史決議」を採択し、「異例の3期目突入」をほぼ確実にした。

総会コミュニケでは、台湾の独立や外部勢力の干渉に断固反対し、中台関係の主導権を握ったと誇った。

一連の動きをどう見るか。

福井県立大学の島田洋一教授(国際政治)は「(日豪の連携強化や、クアッドの日本開催打診は)いずれも『対中包囲網』構築の一環だ。台湾情勢も緊迫してきた。特に、来年2月の北京冬季五輪の前後が危ない。国際社会は中国を決して楽観視せず、隙を見せてはいけない。クアッドは各国間ではもちろん、4カ国でも合同軍事演習を行うなど、より緊張感を持って警戒・監視を強めるべきだ」と語っている。

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