日本シリーズ 1995秘話

長嶋巨人の“メークドラマ”が失敗して実現した「安物のON対決」 ヤクルト・野村監督「優勝してオーナーを困らせてやる」と奮起1/1ページ

オリックス・仰木監督(左)とヤクルト・野村監督。世間の期待とは違った形の「ON対決」となった
オリックス・仰木監督(左)とヤクルト・野村監督。世間の期待とは違った形の「ON対決」となった

20日に開幕する日本シリーズは、ヤクルトとオリックスが1995年以来の激突。四半世紀を過ぎて多くの物事が移り変わったいま、当時の野村ヤクルトの番記者がこぼれ話で久しぶりの顔合わせを盛り上げます。

95年のオープン戦。ヤクルト・野村克也監督はオフにロッテへ移籍した「ギャオス」こと内藤尚行投手が挨拶に来ると、「もう会うことはないな。今年(の日本シリーズ)はコミッショナーでON対決と決まってるからな」と毒ガスを浴びせた。

ダイエー(現ソフトバンク)は王貞治監督が就任。豊富な資金力で外国人やFA戦士を大型補強を敢行。前年「10・8決戦」を制して日本一となり、さらにヤクルトから広沢とハウエルを引き抜くなど30億円補強を敢行した長嶋巨人との、ON対決への期待が世間では早くも膨らんでいた。

しかも、3年契約最終年だった野村監督は、開幕前の激励会で桑原潤オーナーに「監督は今年で最後の年なので頑張ってくれるでしょう」と激励どころか最後通告され怒り爆発。「優勝してオーナーを困らせてやる」と奮起し、開幕3連戦で巨人に勝ち越すと首位を快走した。

球宴前にヤクルトに4ゲーム差をつけられ3位の長嶋監督は「優勝ラインは70勝を切ります。決まるのは10月です。これは賭けてもいいですよ。これからはメークドラマです」と大予言。すると野村監督は「Make Drama」をローマ字読みして「負けドラマやないか。だいたい。そんな言葉はないらしいぞ。正しくは『Make It Drama』や」と応酬し、9月30日の巨人戦で78勝目(最終は82勝)を挙げ、メークドラマをあえなく失敗に終わらせた。メークドラマの発祥は逆転優勝を遂げた96年との誤解も多いが、正しくは「2年越しのメークドラマが完結」だ。

一方、パ・リーグはこの年の1月に阪神大震災で被災したオリックスが、「がんばろう神戸」を合い言葉に就任2年目の仰木彬監督のもと、前身の阪急時代以来11年ぶりに優勝。図らずも「ON対決」が実現し、ノムさんは「安物のON対決や」と命名した。 (塚沢健太郎) =明日に続く

zakスペシャル

ランキング

  1. 対中非難決議、五輪前に出せるのか? 茂木氏「今国会で成立できる」と言及も… 石平氏「日本の人権感覚が問われる」

  2. 感染過去最多も「緊急事態宣言」〝回避可能〟 医療関係者見解「治療薬に効果」「医療逼迫ないかも」 「第6波」で1都12県に「重点措置」

  3. 【スポーツ随想】鉄人・玉鷲が金星も素直に喜べぬ大相撲の〝お寒い現状〟 朝乃山再浮上のころには横綱、大関不在⁉

  4. 【サクラと星条旗】カルロス・ゴーン事件から3年…日本に〝幽閉〟された元側近 孫にも会えず、米国では「日本でビジネスするなら気をつけろ」、釈放求める声も 3月3日判決

  5. なぜポテトはSのままなのか 日本の港がコンテナ船にスルーされる現実も

  6. 異例の発表、米原潜「ネバダ」のグアム寄港 中国・北朝鮮を牽制 米CNN報道

  7. 【日本の解き方】不安な政府のオミクロン対策…「柔軟な対応」強調するが、先読まず場当たり対応目立つ 菅政権より仕事をしていない

  8. 自衛隊幹部の「画像流出騒動」で危ぶまれるセキュリティ問題

  9. 消えぬハッキング疑惑、中国習政権に各国〝総スカン〟 北京五輪開幕前に欧米は個人用スマホ持ち込み手控え 識者「帰国後の使用継続は危険」

  10. 前澤友作氏に“新恋人” お相手は16歳差のドラマー梅村妃奈子 昨年4月に剛力彩芽と破局