1975 エンタメプレイバック

インスタント麺CMのキャッチフレーズ「私作る人、僕食べる人」 ジェンダー観点から広告が問題視された最初の事例1/1ページ

1975年、某食品メーカーのインスタントラーメンのCMのキャッチフレーズが世間を騒がせた。「私作る人。僕食べる人」がそれだ。

このキャッチフレーズが、「男女の役割分担を固定化するものである」だとして、女性団体から抗議を受け、約2カ月で放送中止となった。簡単にいえば「なぜ作るのが女性で、食べるのが男性なんだ」ということが問題となったわけで、日本において、ジェンダーの観点から広告が問題視された最初の事例とされている。

この騒動を振り返るとき、60年代の後半から70年代前半にかけて、全世界を席巻した「ウーマンリブ」活動と切り離して考えることはできないだろう。ウーマンリブは、アメリカではベトナム反戦運動や公民権運動と連動して盛り上がったが、日本では全共闘運動の中で熟成された。

よく知られるのは「中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合」、いわゆる「中ピ連」だ。後に「日本女性党」へと発展し、77年の参院選に候補者を出すに至ったが全員落選。これを機に中ピ連と日本女性党は解散することになる。

このCMに抗議の声を上げたのは、参院議員の市川房枝らの呼びかけで結成された「国際婦人年をきっかけとして行動を起こす女たちの会」だった。この抗議には賛否があったが、団体が抗議を面白おかしく取り上げた雑誌に対して「反論権」を掲げて訴訟を起こしたことなどで、ジェンダーへの意識が広がったとも評価されている。

しかし、ジェンダー意識が高まったとはいえ、今でもテレビCMやポスター広告が女性差別にあたると指摘されるケースが後を絶たない。それだけ、まだ日本は男性社会の因習から抜けきっていないということだ。

ちなみにこの年は、柳家小さんが出演した「あさげ」(永谷園)の「これでインスタントかい?」や、おもちゃの猿がパンチングボールをたたき続けるという「ダイヤモンド生命」(明治生命)の「アイム・ア・チャンピオン」、働く人たちを映し出した「新グロモント」(中外製薬)の「ちかれたびー」といったCMのキャッチフレーズが流行している。

■私作る人、僕食べる人 1975年夏からテレビ放送されたインスタントラーメンのCM。森田公一の手による軽快な曲に乗って結城アンナが「私、作る人」というと、佐藤佑介が「僕、食べる人」と返すというもの。


zakスペシャル

ランキング

  1. 韓国の半導体“衰退危機” 素材・部品など日本頼みが致命的 経済成長率も日本下回る予測 生き残るには米中間「二股外交」か

  2. 息切れ、強い倦怠感、ブレイクフォグ「ワクチン後遺症」に苦しむ人たち

  3. SNSを一斉削除、酒井法子に不穏な空気 「新事務所の立ち上げによる出直し」との報道も

  4. 〝二刀流〟に挑む日テレ・桝アナ、40歳で大学研究員に転身の思い 「よりよい科学の伝え方についてもっと深く考えて…」 後輩・水卜アナもエール

  5. レコード人気じわり復活 生産10倍、デジタルと共存 「聴くための〝手間〟に魅力を感じる人が増えたのではないか」

  6. 【マンション業界の秘密】「利用価値」で決まる不動産の資産価値 マンションなら家賃の何年分であるか

  7. 池袋ホテル82歳男性刺殺事件 容疑者の女「路上で声掛けてホテルに行った」 「パパ活していた」との供述も

  8. 13場所ぶり3度目Vの御嶽海、母・マルガリータさんはツイッターでトレンド入り! 歓喜の場面が映し出されて…解説の北の富士勝昭氏「お母さんのファンです」

  9. 霜降り明星・せいやの物議を呼ぶ破局発言 3時のヒロイン福田との交際報道に事務所〝過剰反応〟でさらに波紋か

  10. 「重点措置」適用拡大、2年前から代わり映えしない対策…「日本は『ウィズコロナ』『ポストコロナ』のビジョンが希薄すぎる」 村中璃子氏が苦言