形成外科に代表される他科と合同で行う手術も少なくないが、「大学時代の仲間が各科の最前線で活躍しているので風通しがいい。また海外留学を含めて〝外の病院〟に勤務していたので、順天堂のよさもよくわかるんです」と、チームワークの良さもアピールする。
今後力を入れたいこととして、「人材育成」を挙げる。
「これまで多くの先輩方にお世話になり、育ててもらった。その恩返しとして教育に取り組みたいんです」
日本における頭頸部がん治療の新たな拠点として、お茶の水にのろしを上げた松本医師。名実ともに「手術の名手」となったいま、その手腕に期待がかかる。(長田昭二)
■松本文彦(まつもと・ふみひこ) 順天堂大学附属順天堂医院耳鼻咽喉・頭頸科主任教授。1975年、東京都生まれ。2000年、順天堂大学医学部卒業。06年、同大学院修了。08年、米テキサス大学MDアンダーソン・キャンサーセンター留学。癌研究会附属病院、国立がん研究センター中央病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院などに勤務。同大耳鼻咽喉科先任准教授を経て、21年から現職。日本耳鼻咽喉科学会頭頚部がん専門医・指導医他。医学博士。趣味は「子どものスポーツ観戦」