京都を歩く「ミュジコフィリア」のいる風景

無鄰菴、泉涌寺…『ミュジコフィリア』で史上初の貴重な映画撮影1/2ページ

泉涌寺の仏殿で撮影された貴重なシーン((c)2021musicophilia film partners (c)さそうあきら/双葉社)
泉涌寺の仏殿で撮影された貴重なシーン((c)2021musicophilia film partners (c)さそうあきら/双葉社)

さそうあきらの『ミュジコフィリア』の原作コミックでは、無鄰菴(むりんあん、京都市左京区)の庭のせせらぎを音楽として聴くシーンがある。山縣有朋の別邸だった無鄰菴の庭は近代最高の庭師の1人、七代目小川治兵衛によるもの。琵琶湖疏水を取り込み、東山を借景に季節の木々や岩を配してハーモニーを作る。庭づくりは作曲に似ているというわけだ。

印象的なその場面を映画でも再現したいと思ったが、これまで無鄰菴は映画の撮影に使われたことがない。しかし水の音にこだわった原作の意図を映像化したい。ダメもとで頼んだところ、例外的に撮影許可が降りて、史上初めて名勝無鄰菴はスクリーンに登場した。

山崎育三郎演じる天才作曲家の大成と濱田マリ演じる芸大の教官とが語らうシーンだ。

実は、史上初のロケがもう1カ所ある。

京都で国際作曲コンクールが開催される場所として、真っ先に皇室の菩提寺としての格式を誇る泉涌寺(京都市東山区)を思いついた。ここの重要文化財の仏殿の前に広大な坂がある。仏殿を背景に、その坂を野外劇場のように使えないか。幸運なことにここでも特別に許可をいただいた。大成が現代音楽のアンサンブルを指揮するシーンは実際に仏殿前にステージを作り、そこに京都の装束の老舗である井筒の時代衣装を飾って撮影した。東山の名刹(めいさつ)に斬新な音楽が響く様は圧巻だった。

圧巻といえば五山の送り火で名高い大文字山のロケで洛中を見下ろす風景も忘れられない。ここの風の音が、映画で重要な役割を果たす。

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