藤井氏によると、英ロンドンでは労働力として受け入れた移民が人口の3分の1に達し、社会が不安定化した。フランスでもパリから約20分程度の移民街は旧植民地の北アフリカ出身者が多く、2015年のパリ同時多発テロの舞台となった。
藤井氏は「治安の悪化など深刻な問題を抱えてしまうほか、経済面では賃金が下がることにつながる」と指摘する。
最近では中東の難民や移民らがEUへの入域を求め、ベラルーシとポーランドの国境で緊張が起きたことは記憶に新しい。EU外相理事会は15日、ベラルーシがEU側に移民を送り込み、「ハイブリッド攻撃」を仕掛けているとして、同国への制裁強化を決定する騒動にまで発展した。
前出の藤井氏は、日本の現状について「外国人の受け入れ拡大は政府や自民党が、賃金を下げたい経済団体の圧力を受けて進めてきたものだが、欧米の二の舞いを演じ始めている。岸田政権が『新自由主義からの転換』や『所得倍増』、『分厚い中間層』を掲げるならば、受け入れの流れを止める責務があるはずだ」と強調した。