■日米首脳会談米は冷たく対応した
日米情報当局の情報は、こう続いている。
「岸田首相は19日、バイデン大統領が北京冬季五輪の『外交的ボイコット』の検討を明言したことを受けて、『それぞれの国で立場や考えがある。日本は日本の立場で考える』と記者団に語った。この時点で、米国は『岸田政権は同盟国や友好国と歩調を合わせないつもりか』と怒りを抱えていた。この2日後、林氏が明かした訪中要請の話に、米国は『岸田政権はやはり信用できない』との思いを強めた。まさに、岸田ショックだ。自由主義諸国による毅然(きぜん)とした『対中強硬外交』からの離脱を印象付けた。これは日本外交の大失態だ」
北京冬季五輪への「外交的ボイコット」は、中国最高指導部の元メンバーによる性的暴行疑惑を告白した女子テニス選手の彭帥さんの安否問題を受けて、米国や英国、EU(欧州連合)、カナダ、オーストラリアなどの自由主義国が続々と声を挙げている。この問題は、ウイグルなどでの人権弾圧と同根といえる。
日米情報当局関係者の決定的な情報がある。
「岸田首相は、臨時国会前の訪米と、バイデン大統領と対面による日米首脳会談を希望してきた。しかし、米国は冷たく対応した。岸田官邸は『米国内の事情で調整困難なため』と説明しているが、違う。バイデン大統領をはじめ、ホワイトハウスが『岸田首相と急いで会っても意味がない』と判断したからだ」
私(加賀)は、いたずらに危機感を煽ることはしたくない。しかし、「台湾有事」「日本有事」は目の前に迫っている。日本は、このままでは危ない。