今年のヒーローである大谷は、どの世代の視聴者層にもアピールできる存在だ。ある音楽関係者は「今回の出場者の顔ぶれは若い世代をターゲットとしており、年配の層には響かない可能性がある」と指摘する。そのためにも、審査員でバランスを取ろうとしているとも受け取れる。
視聴率をいかに維持するか。そのために様変わりを続ける紅白について、芸能文化評論家の肥留間正明氏は、五木ひろしが不出場を宣言したことを残念がる。
「演歌勢がどんどん居場所をなくしている。そういう意味では早々に紅白から撤退した五木は先を読んだのだろう。だが、偉大なエンターテイナーを紅白は失ったといっても過言ではない。一度でいいから五木の明治座公演を見てほしい。歌唱力は申し分ない。さらに話術にたけ、歌との間をつなぐ演劇は藤山寛美の後継者として演技力は堂にはまっている。ピアノを弾けばその腕前に耳を傾け、ギターを駆使して自分作曲の曲を歌いあげる。ちなみに明治座の1カ月公演は常に満席で優に3万5000人以上動員できる。エンターテイナーとしての資質は文句のつけようがない」
今年の紅白から新たなエンターテイナーが生まれるのだろうか。