「血流&体温アップの方策となれば、まずは入浴です。重炭酸イオン入りのタブレットをプラスすると効果は飛躍的となります。炭酸ガス入りの入浴剤とは異なり、重酸素イオンは24時間安定してお湯の中に留まるので、追い炊き入浴しても効力が継続します。さらに、中性である重炭酸イオンは血管や血液に溶け込みやすく、血管拡張作用のあるNO(一酸化窒素)の産生を促すことで血行を改善します」
ちなみに、このNOは、男性にとって見逃せないバロメーターでもあるという。
「NOは加齢や男性ホルモン低下で減少し、NO不足による動脈硬化は体の中で一番細い、男性器の動脈から始まります。朝の充血度合いをチェックし、動脈硬化の予兆を見過ごしてはいけません」
寝る1時間半前にぬるめの湯船に重炭酸タブレットを入れて、15分以上はゆっくり浸かり、深部体温をしっかり上げてみてほしい。その時にはスマートフォンを持ち込まず、仕事や余計なコトを考えず、各所をマッサージしながら、ぼーっと過ごしてみてほしい。
風呂からあがって体温が下がってきた頃にスーっと眠気が訪れることだろう。
あすは眠りを促すCBDについて。(取材・熊本美加)
■ぐっすり眠れる! Dr.MANA式入浴法
(1)眠る1時間半前にぬるめのお湯にゆっくり浸かる。(40度で15~20分)
(2)重炭酸温浴法(重曹・クエン酸・ビタミンCの含まれているタブレットを活用すれば血流が効率よくアップし、NO(一酸化窒素)をチャージ
(3)湯船につかっている時は何も考えない(瞑想・ひたすら、ぼーっとする)
■岩本麻奈(いわもと・まな) 皮膚科専門医。東京女子医科大学卒、慶應義塾大学医学部皮膚科で研修後、済生会中央病院などに勤務。20年に及ぶパリ生活で、抗老化医学、自然薬草療法、予防医学などを学ぶ。EU圏の大手製薬会社やコスメ企業のアドバイザーを兼任、日本では大手通販会社でコスメブランド開発に従事。2020年に帰国、現在は複数のクリニックに勤務し、最先端再生医療や美容医療に携わり、今夏から「睡眠美容外来」を開設。健康や美容のためにいかに睡眠が重要かを啓発する。日本臨床カンナビノイド学会認定登録医、日本温泉気候物理医学会会員、日本睡眠学会会員。ナチュラル・ハーモニークリニック表参道 副院長、グランプロクリニック銀座理事。近著に『睡眠美容のすすめ』(西村書店刊)。