最大の理由は、岸田政権の「親中傾斜」姿勢だろう。
来年2月の北京冬季五輪をめぐって、バイデン政権は大統領や閣僚が開会式に出席しない「外交的ボイコット」を検討している。大統領自身が11月18日、「検討している」と記者団に明言した。英国のボリス・ジョンソン政権も同様だ。
そんななか、岸田首相は「それぞれの国で立場や考えがある。日本は日本の立場で考える」(同月19日)と語り、米国に同調しない考えを示唆している。加えて、林芳正外相が同月21日、「王毅国務委員兼外相に訪中を招請された」と、テレビ番組で一方的に公表した。
招いた中国が「招請の事実」を伏せていたのに、日本の外相が自らしゃべったとあっては、事実上、訪中を受け入れたも同然だ。
一連の経過を見れば、米国が「岸田政権は『米中の二股外交』を狙っている」と判断するのは、当然である。
となれば、どうなるか。
私は「岸田政権の対中姿勢がはっきりするまで、米国は外交日程を中ぶらりんにする可能性が高い」とみる。