箱根駅伝外伝~東洋大元監督・佐藤尚が語る~

(5) 箱根駅伝の5区「『柏原! 速すぎるぞ』と声をかけましたが…指示は無視でした(笑)」1/2ページ

箱根駅伝の5区「『柏原! 速すぎるぞ』と声をかけましたが…指示は無視でした(笑)」
箱根駅伝の5区「『柏原! 速すぎるぞ』と声をかけましたが…指示は無視でした(笑)」
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箱根駅伝の5区は、標高約35メートルの小田原中継所から国道1号線の最高地点の標高874メートル(芦之湯付近)まで駆け上がる。まさに〝山上り〟であり、毎年のように途中棄権や大ブレーキが起きる難しいコースだ。

だが、ルーキーの柏原は臆することなく、前を行く8校を驚異的なハイペースで追いかけた。小田原中継所地点で、トップ通過の早大とは4分58秒差、2位の山梨学院大とも4分10秒差だった。

「柏原の最初の5キロは15分20秒ぐらいの設定でしたが、手元の時計を見れば14分48秒。とてつもなく速い。もうびっくりでしたよ。この日の5キロ地点に来てくれていた川嶋監督からも『速すぎるだろう』と連絡を受けたぐらいです。すぐに運営管理車から柏原に『速いぞ』と声をかけましたが、片手をサッと上げてヒューンと行ってしまった。それまで私の指示を素直に聞いてくれていた子が本番で無視でした(笑)」(佐藤)

夏合宿の終了後、コーチの佐藤は柏原に「箱根の山上りは任せたぞ」と伝えていたように、柏原への信頼は厚かった。

「監督代理となり、展開を想定しメンバープランを練った際、5区の柏原で流れを引き込めるかなという思いはありました。6番手ぐらいで襷をつなぎ、往路を3番手ぐらいで終えれば上出来というのが本音でした」

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