この血液検査は結果が出てからが勝負。「フォーネスビジュアス コンシェルジュ」と呼ばれる保健師のフォローがあり、生活習慣改善に向けて動き出す。保健師の中心的メンバーである清家さんは、「お酒の飲みすぎで内臓脂肪も多いのは典型的な中年のパターン。動脈硬化を経て心筋梗塞などに発展する危険性がある」として週2日の運動と、食生活・飲酒習慣の改善を助言した。
岡田さんは休日などにウオーキングを開始。さらに週に1回、スマホアプリを使ってヨガ(初級~中級20分程度)も始めた。食事面では、野菜から食べ始め(べジファースト)、プチ糖質制限も導入。課題のアルコールは、毎日2本のビール(500ミリリットル缶)を1本は糖質ゼロに、もう1本は平日だけノンアルコールに変更するという涙ぐましい努力を実践。すると、3カ月後には体重が4キロ減少するなどの変化が現れた。
岡田さんにスイッチが入った要因を清家さんは2つ挙げた。
①血液検査でさまざまなデータが可視化された ②取り組みやすく効果的な生活習慣改善に着手できるようにコンシェルジュの後押しがあった
「好きなものをすべてやめるのは難しい。ビールを一部ノンアルに変えるなどの取り組みは、その気になれば、他の中高年の方もできることかもしれない」と話した。(取材・佐々木正志郎) =あすにつづく
■清家勝代(せいけ・かつよ) 保健師。大分県出身。京都府立保健婦専門学校(現・京都府立医科大学医学部看護学科)卒。1982~2002年大分県佐伯市勤務。企業勤務を経て現在は、フリーで産業保健領域の総合コンサルタントとして活動するとともに、血液から疾病の発症確率を予測する検査サービス『フォーネス ビジュアス』のコンシェルジュとして、受検者にアドバイスをしている。