ドキュメンタリー映画「東洋の魔女」11日公開 フランス人監督が描くスポ根アニメの原点 「アタックNo.1」の映像も挿入1/1ページ

「東洋の魔女」(提供写真)
「東洋の魔女」(提供写真)

今年の東京オリンピックは、新型コロナウイルスの世界的パンデミックの中で開催されたため、異例ずくめの大会だった。一方、57年前に行われた東京オリンピックは、当時の国内外情勢を反映して、戦後の日本人が自信を取り戻した輝かしい国際大会だったといえよう。

同大会のハイライトとして忘れられないのは、わが国の女子バレーボールチームが、圧倒的な強さで勝ち進み、最大のライバルソ連チームと戦った白熱の決勝戦である。金メダルを争うその試合をクライマックスにして、日本代表チームの姿を描いた鮮烈なドキュメンタリー映画が、11日公開の『東洋の魔女』だ。

本作の監督と脚本を担当したフランス人のジュリアン・ファロは、日本女子バレーボール代表選手たちの力強さ、不屈の精神、そして深い謙虚さに感銘を受け、映画製作を決意しただけに、彼女たちが日々の厳しい訓練に耐え、金メダルを勝ち取るまでの過程を、貴重な記録映像も交え、優れたドキュメンタリーとして完成させた。

また、彼女たちを徹底して鍛え上げた大松博文監督が、戦時中、ビルマ戦線で戦った経歴を持つと紹介された後、その猛烈な練習ぶりが映しだされるのを見ながら、若いフランス人映画作家の感性の確かさに感心してしまう。

現在の日本人なら、大松監督のスパルタ式トレーニングシーンにどんな解説を加えるだろうか。

ファロ監督は、そのスパルタ式特訓と魔女たちの活躍が、日本のスポーツマンガ(いわゆるスポ根もの)に大きな影響を与えたことも十分承知しているので、市川崑監督の『東京オリンピック』(65年)などのフィルムに加え、テレビアニメ『アタックNo.1』(69~71年)の映像を的確に挿入している。

本作は、わが国のスポーツアニメの原点を知る上でも重要な作品で、今一押しのドキュメンタリー映画といえるだろう。 (瀬戸川宗太)

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