そんな世間からは偏見を受けてきた芸名ですが、命名された当時、両親に報告にいくと喜んでくれました。私とビールをやりとりしながら父が「お前、たけしさんに本当にいい名前をつけてもらったなぁ…」と母と笑ってくれたのです。
どこの世界に自分の息子が玉袋筋太郎と命名されて喜ぶ親がいるでしょうか? 私も親ですが、息子がこんな芸名をもらったとしたら、父のように喜べる自信がありません。
あの時の両親の笑顔があったからこそ、世間からこの芸名がどんな蔑(さげす)みを受けたとしても、玉袋筋太郎として生きてこられたのです。
本当に、バカな親もいればバカな息子もあったもんです。どうぞ笑ってやってくださいましな。
■玉袋筋太郎(たまぶくろ・すじたろう) お笑い芸人。1967年6月22日生まれ。東京都新宿区出身。86年にビートたけしに弟子入り。TBSラジオ『たまむすび』(金曜)、TOKYO MX『バラいろダンディ』(金曜)にレギュラー出演中。2013年から一般社団法人全日本スナック連盟会長。著書に『スナックあるある この素晴らしき魑魅魍魎の世界』(講談社)、『スナックの歩き方』(イースト新書)など。