ゴルフわすれな草

木下稜介(20) ギャラリーに見守られる幸福感…消え去った初優勝への重圧 「ナイスバーディー」と声を掛けてくれた少年にそっとボールを渡し1/2ページ

木下稜介
木下稜介

今年6月の日本ゴルフツアー選手権の最終日。10番485ヤードのパー4の平均ストロークは4・391。17番パー4に次ぐ難易度2位のホールで、首位を走る木下稜介はこの日初のボギーを打った。

通常はパー5をパー4設定にしたことを考えれば、それほどのショックはなかった。ボギーも想定内であり、4打目のアプローチショットをカップ手前2メートルにしか寄せ切れなかったミスを思えば、上出来のボギーだった。

連続ボギーだけは打たない。試合の流れだけは変えたくはない。その一心で次ホールは、パーセーブで切り抜けることができた。これまでの優勝争いで木下は、ボギーを打っただけで動揺したり、スコアを取り戻そうと焦ったりしていた。だが、これまでの苦い経験から平常心を保ち続けてプレーすることの大切さを自分に言い聞かせられるようになっていた。変化ではなく、成長していたのだ。

残り7ホール。2位の大岩龍一とは5打差。スタート前よりもその差を1打広げていた。念願の初優勝へ歩を着実に進めている。しかし、決して安心はしなかった。むしろ、5打差もありながら、まさかの逆転をくらうかもしれない。その不安が初優勝プレッシャーの密度を高めていたのも事実だった。

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