箱根駅伝外伝~東洋大元監督・佐藤尚が語る~

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胴上げなき優勝の真実
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最後の10区、鉄紺の襷を掛けたアンカーの高見諒(2年)が、快調な走りで品川駅手前の新八ッ山橋に差し掛かったとき、佐藤の携帯電話が鳴った。

「残り8キロを切った辺りで、相手はキャプテンの大西一輝(4年)でした。彼らも勝てると思ったんでしょうね。『胴上げしたい』という内容でした。私は『それは止めなさい。喜びを表現することは構わないから、もう一度、4年生で話し合って決めて欲しい』と伝えました」(佐藤)

大正9年の第1回大会から出場する名門・早大とのマッチレースの末、東洋大は昭和8年の第14回大会から67回目の出場で初の総合優勝を飾った。

優勝のゴール後、恒例の胴上げはなく、ゴールエリアに整列し、コースに向かって深々と一礼。大会前のチームの思い、「感謝の走り」が結実した瞬間だった。

「あのすがすがしい光景は、私の指示だと思われて、学校でもすごく評判がよかった(笑)。もちろん、4年生が決めたことで、聞いていなかった私も胸を熱くさせられた1人でした」(佐藤)

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