シーズン途中で帰国する外国人選手が相次ぐなど、コロナ禍ならではの誤算に振り回されたプロ野球界。新たな変異株「オミクロン株」が広がりを見せるなか、来季に向けて布石を打った球団と、打ち損ねた球団で明暗が分かれそうだ。
今季途中で退団した外国人選手の多くは、感染症対策で家族には来日に必要なビザが下りず、離ればなれの生活に音を上げた。2年契約で巨人に新加入したジャスティン・スモーク内野手(35)は、6月に妻子不在のストレスを理由に球団に契約解除を申し入れた。8年間にわたり西武に在籍したメヒアも、家族の入国制限を理由に前半戦終了後に退団した。パ・リーグを四半世紀ぶりに制したオリックスも5月に右腕ディクソン、8月に大砲ロメロが同様の理由で退団。V逸なら痛恨事となったはずだ。
政府が8月上旬になってようやく、人道的配慮として外国人選手の家族の来日を特例で認めると、「今年と同じ過ちを繰り返さないためには、選手以上に家族へのフォローが重要。来季も残りそうな外国人の家族のため、すぐさま手を打った」と明かすのはある球団の国際担当だ。