目からウロコ 眼科治療の新常識と非常識

医学的根拠ない「矯正トレーニング」 成長期の子供には危険性も2/2ページ

ぼやけた視野のままトレーニングを受けて、たとえ変化はなくても「少しよくなったでしょう?」と聞かれれば、なんとなくそんな気になってしまうもの。そもそも視力には日内変動といって、1日の中でも微妙な変化があります。視力が多少よくなる瞬間は誰にでもあるのに、それをトレーニングの効果とうたうのは、いかがなものでしょう。

メガネをかけて、本来の正しい視野を体感することで、それを目指した治療ができるのです。

と、こういうと、施設側は「われわれが行っているのは〝治療〟ではなく〝トレーニング〟だ」と反論するので議論にもならないのですが…。

ならば、近視の子供がこのトレーニングを受けるのはどうでしょう。

ハッキリ言って毒にも薬にもなりません。ただ、メガネをかけないことで「勉強が遅れる」危険性はあります。

コロナ禍でマスク越しの会話をしていると、相手の発言が聞き取りづらくなります。何度も聞き直すのも失礼なので、わかったふりをする。それと同じことが「目」で起きているのです。

大切な目のことを、眼科医の資格も持たない人に委ねるのは危険です。お気をつけください。 (構成・長田昭二) =あすにつづく

■平松類(ひらまつ・るい) 二本松眼科病院副院長。2005年、昭和大学医学部卒業後、同大医学部眼科入局。同大学病院や関連病院に勤務ののち、18年から現職。昭和大学兼任講師。医学博士。YouTube「眼科医平松類チャンネル」を毎日発信中。

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