岸田文雄政権の決断先送りに不満が鬱積している―。自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会(護る会)」(青山繁晴代表)は15日、林芳正外相と外務省で面会し、北京冬季五輪に政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を今週中に表明するよう申し入れた。
政界屈指の「親中派」である林氏は「五輪は平和の祭典であることを踏まえ、決断したい。適切な時期に申し入れも勘案して判断する」と答えた。青山氏が会談後、記者団に明らかにした。
青山氏は同日朝、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に生出演した。番組で、ジョー・バイデン米政権が「外交的ボイコット」を表明した7日(米国時間6日)、護る会の71人が岸田首相に直接、「日本の『外交的ボイコット』と(対中非難)国会決議」を申し入れていたことを明かした。
北京冬季五輪をめぐっては現時点で、政府高官ではなく、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の橋本聖子参院議員や、室伏広治スポーツ庁長官の出席とする案が取り沙汰されている。
青山氏は、橋本、室伏両氏についても、「外交使節団に当たる。ふさわしくない」と記者団に指摘。林氏には日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長が適当だと伝えたという。