やめるなんていわせない! 「最後の角川春樹」考

中村獅童 呼び捨てにしたくて…息子にカリスマの名1/1ページ

壮大なスケールの作品に出演した中村獅童
壮大なスケールの作品に出演した中村獅童

「これが最後」とおっしゃる心の持ちようは本当だと思うんですけど、きっとまた心が燃え上がって、新たな挑戦も、監督もなさるんだと思っています。

子供の頃に『犬神家の一族』(1976年)のリバイバル上映に興奮し、多感な頃には『セーラー服と機関銃』(81年)。真田広之さんや志穂美悦子さんのアクションもリアルタイムで観て、草刈正雄さんの『汚れた英雄』(82年)でバイクに憧れました。角川映画に育てられたんです。

角川春樹さんには、母(陽子さん=2013年没)が句会でご一緒していた関係で、それこそ歌舞伎で役が付かない頃から応援していただきました。舞台にただ座っているだけなのに「良かったぞ」と。あのカリスマから言われれば、それは力がわきます。

プロデュース作の『男たちの大和 YAMATO』(05年)のときは、実物大のセットに驚いて、こんなにお金をかけて大丈夫なのかと思いましたけど、結果は大ヒット。

しばらくたって京都の撮影所に行ったら、東映の人から「『―YAMATO』のヒットで改装できて、所内もずいぶんきれいになりました」と言われて、やっぱりすごいなと実感しましたね。

それから15年後に『みをつくし料理帖』で(21年)声をかけていただいたときは感無量でした。「最後だから獅童出てくれ」と。

そういえば『―YAMATO』のときにも「最後」という言葉を聞いたような気がしましたけど、その時々の決意と受け止めて、心が引き締まりました。

本読みから始めて、ものすごく丁寧な撮り方で、役者1人1人に声をかけていました。

僕は何とか怒られずに済んだのですが、撮影中は何度か怒鳴り声が飛びまして。元気で良かったと思いましたね。

息子の名もハルキ(陽喜)です。報告というかお許しを得ようと電話をしたら、「お前、ハルキと呼び捨てにしたいからだろ」と。「いえいえとんでもない」と申し上げましたが、実を言えばちょっとそんなつもりもありました。

あのカリスマの名を「親」の立場で上から呼ぶのは、やっぱり気持ちいいものですからね。

■最後の角川春樹 毎日新聞出版刊。書籍、映画、音楽を融合させた角川マジックの裏側、獄中の思いと再起…、希代の映画プロデューサーがすべてを明かす40時間。伊藤彰彦著

■中村獅童(なかむら・しどう) 歌舞伎役者。1972年9月14日生まれ、東京都出身。2002年、映画『ピンポン』の怪演で映画新人賞を総なめにし、注目を集めた。

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