温度と湿度が厳密に管理された環境下、微生物のサポートを得て数十日。チーズやナッツのような芳香を伴った熟成肉ができあがる。
2010年の東京・西日暮里店創業から10年以上。焼肉「エイジング・ビーフ」で提供される味わいは随分と変化し、進化した。
提供される肉は和牛ではあるが、サシは少し控えめ。等級はいわゆる〝A5〟ではなく、〝A3〟程度だが、むしろ赤身の味わいがしっかりした肉を熟成にかける。
その肉質はやわらかく、味が濃く、深い。熟成肉に惚れ込んだ焼肉店と食肉大手が二人三脚で繰り返した試行錯誤の結実が店舗で食べられる。
都内屈指の大型店舗である「TOKYO新宿三丁目店」では、同フロアにステーキ業態の「グリルドエイジング・ビーフ」も隣接。どちらでも熟成肉にはありつけるが、焼肉でもステーキでも気分で食べわけることができる。
新宿という外食難民の多い町で、まっとうに熟成させた黒毛和牛を焼肉かステーキか、気分で選ぶことができる。
日本の食肉文化も、少しずつ前進している。