台湾が、韓国にブチ切れた。台湾外交部(外務省)は20日、台湾のオードリー・タン(唐鳳)政務委員(閣僚)にオンライン講演を依頼していた韓国大統領直属の政策立案機関が、当日にキャンセルを通告してきたとして、「礼儀を欠く行為」として厳重抗議したことを明らかにした。
台湾外交部などによると、韓国の「第四次産業革命委員会」は今年9月にタン氏に講演を要請し、今月16日に「台湾のデジタル社会イノベーション」という講演を行う予定だった。
しかし、タン氏の事務所に当日朝、韓国側からメールで取りやめの通知があったという。韓国側は「両岸(中台)関係を考慮した」と理由を説明したという。
タン氏は10日、米政府が開催したオンライン方式の「民主主義サミット」に台湾代表として出席したが、中国は反発していた。今回も、中国の圧力に韓国が屈したとみられている。
台湾外交部は、韓国の駐台北代表処の代理代表を呼び出し「強烈な不満」を伝えて抗議した。さらに、民主国家と関係を深めて民主主義や人権といった普遍的価値を守ると強調した。
今回の騒動をどう見るか。
朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、軍事的かつ経済的理由から中国の逆鱗に触れることを恐れたのではないか。今回の非礼は国際社会の信頼を失う。岸田文雄政権も対中姿勢を明確にしなければ、自由主義諸国からは失望され、中国には軽蔑される。韓国と同じ轍(てつ)を踏んではならない」と語った。