コロナ禍が続いた2021年、米株式市場はダウ工業株30種平均が史上最高値を更新するなど総じて好調だったが、東京市場は日経平均株価が31年ぶりに3万円台に乗せた後、伸び悩んだ。22年の市場はどうなるのか。マネックスグループの松本大(おおき)会長兼代表執行役社長CEO(58)は「日本はまだまだいける」とポテンシャルに着目、「日米半々」という投資戦略を披露した。(聞き手・中田達也)
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21年12月上旬まで米国に2週間出張していましたが、米国の雰囲気は前向き、元気でした。レストランに行くと、マスクなしでぎっしり座って、怒鳴り合うようにしゃべっていました。パーティーでもみんな握手してハグしていましたね。コロナ前に完全に戻ったわけではないんですが、ワクチンを打って、最近ではブースター(追加)接種もしているので、社会を動かしていけば収益も出て困った人も助けられるというのが基本的な考えです。
米国はメリットの方がデメリットより大きければやる。日本の場合はちょっとでも問題があれば全部止める。こういう違いが株価にも表れますよね。
米国株が上昇したのは、金融緩和でお金がジャブジャブしていることのほか、AI(人工知能)などテクノロジーによるメリットもあります。コロナを機にリモートワークも一気に進みました。うちの米国の子会社もフロリダ州にヘッドクオーター(本部)があるのですが、エンジニアは全米の州から採用しています。