みうらじゅん いやら収集

どうやって頼むか分からない エロオヤジ収集〝拓〟の世界1/1ページ

コレなんてどう?
コレなんてどう?

〝拓〟の世界というものがある。

たぶん、もっともポピュラーなものは『魚拓』だろう。

よく、海辺の居酒屋などの壁に額縁入りで飾ってある。

「ほーう、これは鯛かね?」

「それはねお客さん、テングダイって言いましてね。ちょっとおもしろいで魚拓にしたんでさ」

どうやら店のオヤジの趣味らしい。よほど釣果を誇示したいのだろう店の至る所に魚拓が掛けてある。

「思い出にもなりますしね」

そのフレーズ、どこかで聞いた気がしたがそれは間違いで、昔、エロ本の記事で読んだものだった。

あるエロ愛好家のオヤジが〝拓〟を収集していて、紙面びっちりにその作品が載っているというもの。オヤジ(目線有り)はそのインタビューで「思い出にもなりますしね」と、語っていたソレ。

もはや絶滅趣味だと思うけど、通称〝マ〇拓〟ってやつだ。

愛する女性に頼み込んでか分らないが、股間に墨を塗り、和紙かなんかを押し当てプリント。確か、僕はその紙面を見た当時、かなり引いた気がするが、みんな違ってみんないいみたいなことをオヤジは熱く語ってた。

きっと、もうお亡りになってんだろうな

遺族はソレを見つけた時、どんな気がしたのか?笑って済んだのならいいのだが。

しかし、僕も還暦を過ぎた辺りから、どうも〝拓〟が気になり出して、釣鐘を模した小さな墨と和紙を買入、常時、カバンに入れ持ち歩くようになった。

かと言って、あのエロオヤジのマネをするわけではない。石碑や銅板にある文章の一部におかしい文字を見つけては拓を取るブーム。思い出こそならないものだけど、コレなんてどう?(写真)

■みうら・じゅん 1958年2月、京都市生まれ。イラストレーター、漫画家。エッセイストとしても知られ、97年に「マイブーム」で新語・流行語大賞を受賞した。2021年本屋大賞「発掘部門/超発掘本!」で、著書『「ない仕事」の作り方』(文春文庫)が受賞。コラムニストの辛酸なめ子さんとの共著『ヌー道―nude―じゅんとなめ子のハダカ芸術入門』(新潮社)が発売中。アサヒビール大山崎山荘美術館(京都府大山崎町)で「みうらじゅん マイ遺品展」を開催中。

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