2月1日から沖縄、宮崎などで行われるプロ野球の春季キャンプにも暗雲が立ちこめている。人気の新庄剛志監督(49)が率いる日本ハムは名護市でキャンプを予定。地元観光業界には心配の声が広がった。
名護市の近隣ホテルの営業担当者は「問い合わせの電話が続いている。キャンプが無観客に変更されることを危惧している」と声を落とした。
那覇市の観光地、国際通り近くにあるホテルパームロイヤルNAHAでは、昨年末の客室稼働率が9割近くになっていたが、高倉直久総支配人(42)は「グループ予約のキャンセルが相次いでいる」と明かす。国際通りで土産物店を営む40代女性は「観光客がまだ完全には戻っていないのに厳しい。まるで壊れたボートにずっとつかまっているようだ」と今後の不安を口にした。
ただ、プロ野球の斉藤惇コミッショナーは5日、春季キャンプは観客を入れて実施する意向を改めて示した。感染者急増について「大変なことになっている」と懸念を口にしながらも、「政府関係者や地方自治体とよく相談し、できるだけお客さんに入っていただいて粛々と開催させていただけたら」と述べた。
政府は「オミクロン株」拡大による水際対策強化で、外国人の新規入国を禁止している。昨年に続いて外国人選手の来日がずれ込むことが予想される。斉藤コミッショナーは「キャンプから(参加)というのは時間的にできるか分からないが、シーズンは最初から出られるようにしてあげないと。大きな問題。早速取りかかっていく」とした。